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No弐-668 定員割れ

 昨年夏から秋にかけて、「No弐-517(8月26日)教員の過酷な勤務状況」、「No弐-534(9月12日)教員の勤務実態&今年度の採用倍率」「No弐-570(10月18日)  その後の『教員離れ』の情報」を取り上げました。

 今日は、先週1月20日(金)の朝日新聞からの情報です。

★2023年度公立小学校教員採用試験受験者数

・全国で38641人(22年度小学校受験者数40,636人、文科省昨秋公表)

・1995人少なくなり、受験者数の減少傾向に歯止めがかからない。

 

・公立小学校の採用試験受験者数は、1993年の34753人が過去最低。

・94年度までが3万人台だったが、その後増加傾向が続く。

・13年度から減少傾向が続く。

 

・地域別では、48機関(7割)が昨年度より下回った。

・合格者数が採用見込み数を割ったのは12教委。

 

★大分県の定員割れ

・大分県では、採用見込み数200人に対し、受験者数198人。

 教員の質確保のため受験者全員を合格とすることはできず、159人合格。

今後、合格者数の辞退などで実際の採用者数はさらに少なくなる可能性。

・県内の公立小では昨年9月1日時点で29人の教員が不足した。

 

・「これまでとは次元が違う。新年度の先生の確保が一層厳しくなりそうだ」(県公立小教頭)

・「定員割れは記憶する限りでは初めて」

 「この状況が長く続くと、慢性的に教員が不足してしまう」

 「(特定科目だけを教える)専科教員や短時間勤務などの選択肢を増やし、少しでも働きやすい環境を整えたい」(県教委担当者)

 

★神奈川県

・23年度中学校採用試験では、採用見込み人数300人に対し、受験者は1007人、合格者数は257人。

・「教員不足が深刻で、本当はもっと採用したいが、必要な人数になるまで合格を出してしまうと質を担保することができない」(県教委担当者)

 

★東京都の対応(1月21日朝日新聞)

・新年度から教員免許を持たない25歳以上の社会人でも受験可能。

・2022年度から40歳以上を対象に導入。8人合格(28人受験)

・合格した場合、2年以内に教員免許を取得することが条件。

・それまでは教壇には立たず、別の仕事をしながら、教職課程を履修。

・合格者数はこの10年で約1.5倍増加。受験者数は4976人→2555人(ほぼ半減)

・23年度の採用試験から大学3年生も一部を受けられる。

・10月中旬だった合格発表も民間企業の内定式より早い9月中旬にする。

 

★ある女子大生の例

・教職は中学時代からの夢。成績や友人関係などの悩みを受け止め、一緒に考えてくれた担任の先生が憧れ。

・揺れ始めたのは大学入学後。現役教員のSNSへの投稿を読む。

<放課後に生徒の話を聞いた後、事務仕事をして授業準備。終わったのが夜11時>

・昼休み友人2人と、それぞれが見た部活動や休日出勤などに関するSNSへの投稿を報告し合う。「うちらには無理」。

・昨年7月、教員採用試験数日前に母から電話、

 「毎日毎日残業。そんな仕事はよしておきなさい」

 「人生を懸けるつもりはないよ。私も嫌だと思っている」

・準備はしていたので一応、1次試験を受けて合格したが、教員になるつもりはない。

・教材を企画する会社から内定。友人2人も教員の道を選ばなかった。

 

 残業がイヤで、人生を懸けるつもりがないなら、教員にならなくて正解です。

 私が今仲良くしているホテルマンの夕食は、コンビニのおにぎりです。帰宅時間も遅く、メールが来るのは翌日ということもザラです。

 それでも「お客様の笑顔を見るとうれしい」と言います。

 楽をしたいなら私たちのような仕事は不向きです。「子どもの成長を見るとうれしい」から頑張れるのです。でしょ?