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No弐-663 PTAを考える3

 1月16日から連載された日本経済新聞の「教育岩盤 迫る学校崩壊②」(1月17日)はPTAについてでした。

 PTAについては、No157(2018年11月30日)、 No弐-496(2022年8月15日)でも取り上げました。

 PTA(Parent Teacher Association)は、米国発祥(1897年2人の女性により自発的に結成)とされ、父母と教師が対等の立場で子供の教育について語り合う活度が始まりでした。

 「保護者と教員が学びあうことで教養を高め、成果を家庭・学校・地域に還元し、児童生徒の健全な発達に寄与する」というのが理念でした。

 しかし、近年では活動に負担や疑問を感じる保護者が声を上げ始め、改革の動きが広がり、役員会のオンライン会議システム導入、会報誌はメール送信。

 さらには、活動の一部を企業に外注したり、業務用のクラウドサービスを導入したりする動きも広がっていることがわかりました。

 

★PTA 

・戦後、GHQの推奨で広がる。

・目的は「学校と保護者が協力して子どもの幸福を目指す」。

・法的には設置義務も加入義務もないが、全校にあり、全員が入るのは不問律。

・平日に学校で長時間かけて会議し、前例踏襲の行事の準備をする。

 

★変化の波

・こんな活動スタイルに保護者がついていけなくなり、役員の押し付け合いまで起きてきた。

・父親は会社、母親は家庭という「サザエさん」型家族が主流の時代は何とかなった。

・1980年、「専業主婦世帯数」は、「共働き世帯数」の1.8倍。

 →40年を経た今、「共働き世帯数」は、「専業主婦世帯数」の2倍超。

 

★前橋市の中学校の解散例

・2022年1月、校長とPTA会長が解散を提案。

「役員候補がおらず講演会や研修会も人が集まらない」という理由

・3月、反対の声は出ず、解散。

・PTAが担ってきた学校行事の手伝いなどはボランティアを募って対応し、不都合は「全くない(校長)。

 

★外部委託

・学校が外部に求めるものも変わってきている。

・2022年8月、近畿日本ツーリストは、PTA業務を代行する事業開始。

 ある小学校には、合唱コンクールの観覧者に受け付けスタッフ派遣。

 

★「東京学校支援機構」(2019年、東京都設立)

・教員が苦手とする業務のデジタル化などで、外部から支援する動きも出てきた。

・登録約6000人(会社員、学生、主婦ら)、約140団体。

・活用は想定したほとんど進んでいない。登録した学校は6割。

・派遣を求める学校などからの求人数約2900人(21年度)

・「教員は一生懸命に教育に取り組み、責任感も強いだけに、外の人に頼っていいのか不安を抱くのではないか」(坂東真理子理事長)

 

★記者の目

・学校に過剰な要求をする「モンスターペアレント」に悩む学校は少なくない。

・いじめや不登校も増え、学校と保護者の連携は一段と重要になる。

・自らが殻を破り、外の力を呼び込む。

・PTA頼みが限界の学校がとるべき道は明らかだ。

 

 いかがでしたか?確かに教師は責任感が強い人が多いとは思うのですが、個人情報の漏えいに不安があるのではないかしら?

 私は、この記者の意見に大賛成です。殻を破ること、保護者、外部との連携を支持します。