昨年末12月26日(月)の朝日新聞朝刊に「学習用端末のトラブル実態」の記事がありました。
端末利用のトラブルについては、No弐-226(11月8日)にも取り上げましたが、この時は読売新聞の記事からでした。
同紙の全国調査で、特定の児童への「ばか」の書き込み、わいせつ動画や不適切なサイトの閲覧、無断での友人の学習ドリルへのアクセス、プログラミングアプリで中傷する言葉の書き込み、授業中に相手のいやがるイラスト送信、許可なく撮影した友人の写真を加工などがあったことが明らかになりました。
端末の破損についても、No弐-563(10月11日)で取り上げました。
★学校アンケート「毎日端末を持ち帰らせている」(昨年4月、文科省)
小学校27.4%(前年度6.9%)、中学校32.8%(同10.1%) 急増
小学校 「毎日持ち帰り毎日利用」14.3%、「毎日持ち帰り時々利用」13.1%、
「時々持ち帰り時々利用」39.3%、
「持ち帰らせていない」11.2%、「持ち帰り禁止」3.1%
「休校など非常時のみ持ち帰り」18.9%
・持ち帰りの是非や家庭での使用制限などは「教育委員会の判断」として、細かい基準などは示していない。
・学習端末は宿題や時間割確認、担任からの連絡にも使われるので、保護者の制限の判断が難しい。
★茨城県の小学校の取り組み例
・一昨年4月、一部の保護者から「家庭で使いすぎる」という相談。
・夏休み前、児童が話し合いの場。「5つの心得」をまとめる。
・その後も相談してくる保護者はいるが、少数にとどまる。
★3年生女児(品川区)の実態例 「母不在 ネコ動画4時間」
・母親が娘の端末を確認すると、4時間近く使った記録あり。
・端末を使って宿題をするうち、「ユーチューブ」で猫などの動画を見て、止まらなくなった。
★5年生男児(足立区)の実態例 「宿題遅れ 就寝は深夜に」
・一昨年から配布。昨年の夏休みから持ち帰る。
・帰宅するとすぐに学習端末を開くのが日課。
・母親が背後から近づくと、画面を切り替える様子が目に入る。
・端末を見続けているのに夜になっても宿題が終わらず、就寝が11時過ぎることもざら。
・土日もなかなか起きてこなくなった。
★宇都宮市の中学校の実態例
・男性教諭(40代)が昨年9月に2年生の道徳の授業で、インターネット依存度を調べるアンケートを実施すると、4割程度にネット依存の疑いがある結果が出た。
★自治体の対応
・世田谷区では、「ユーチューブを際限なく見てしまう」などと悩む保護者から制限を求める声が多く寄せられる。
昨年11月、使える時間を家庭で制限できる機能を追加。
・横浜市では、普段の持ち帰りは許可していない。
一昨年9月にコロナ対応の緊急事態制限で分散登校になった際、持ち帰りを認めたが、夜中に使ってしまうなどの訴えあり。
端末を配布して有効に活用したいならば、持ち帰りは必要でしょう。予想されるトラブルは必ず起こるわけですから、ルールは当然、いくつかの制限も必要ではないかしら。
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