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No弐-639  ラッコ

 12月2日(金)朝日新聞朝刊に「海の生態系 ラッコにおまかせ」の記事がありました。

 ラッコは絶滅の恐れがあり、現在日本水族館に何頭いるのかご存知でしたか?

 

★日本の水族館にいるラッコ

・日本では、多い時には全国28施設で122頭→現在3頭。

・マリンワールド(福岡)に1頭 15歳(人間換算60歳)。

・鳥羽水族館(三重)に2頭 14歳と18歳。

 

★ラッコの生息数激減

・北アラスカや千島列島周辺の北太平洋沿岸に生息。

・明治時代ごろまでには、北海道にも多く分布するが、生息数が激減。

・理由①毛皮を求めての乱獲、②タンカー座礁事故による原油流出。

・ワシントン条約で国際取引が規制。1998年米国からの輸入途絶える。

・2000年国際自然保護連合が絶滅危惧種に分類。

 

★野生のラッコ

・国内の野生のラッコは、法律で捕獲が禁止、厳重に保護。

・ラッコはとても大食い。

・主食のウニや貝、カニなど6~7㎏(自分の体重の4分の1)を食べる。

・根室沖では、ウニが食べられる被害。

 

★ラッコの「もう一つの顔」

・ラッコは海藻を食べるウニを捕食する。

・海藻は海中の二酸化炭素を吸収し、海の酸性化を抑える役割がある。

・ラッコがいなくなった米国の西海岸では、ウニが増えすぎて、磯焼けが発生し、海藻の森の90&以上が消失。

・ラッコがいると海藻の森が多くの二酸化炭素を蓄えることができる。

・海藻は魚たちのすみかや隠れる場所にもなる。

・漁獲や二酸化炭素の吸収、観光の分野で利益を得る可能性があり、貝やウニを食べることでの漁業への年間損失額より上回る。

・ラッコが水草の茂る海底を掘ったり、かき混ぜたりする適度のかく乱で、アマモの有性生殖の機会を生む。

・ラッコがいることで海藻のアマモの遺伝的多様性が増し、病気への抵抗力が高くなる。

 

 ラッコが3頭とは驚きでした。「ラッコは沿岸の海洋生態系に恩恵をもたらし、気候変動からの回復に貢献することができる」(米国魚類野生生物局)んだそうです。