朝日新聞朝刊「教育」欄に「ボードゲームで学ぶ」が12月14日(水)、21日(水)の2回にわたって紹介されました。今日は先週(14日)の記事に注目してみます。
・近年、コロナ下の「巣ごもり消費」などでボードゲームが人気。
・運と戦略性がほどよく交じったゲームは、次のことが培われ、教育現場でも注目。
①勝つための論理的思考力 ②多人数で遊ぶなかでのコミュニケーション能力
★大阪の小学校の先生の実践
・6年担任の加賀俊介先生(33)のクラスは、昼休みはボードゲームで遊んでもいい。
・教室には、先生所有の国内外のゲームが30種ほど常備。
・給食を食べ終わった児童が、教室の後ろの棚からゲームの小さな箱を次々と取り出す。
・床に車座になるグループがみるみるうちに増える。
・カードを配ったり、コマを動かしたりする子どもの歓声が時折上がる。
・きっかけは、7年前。学級崩壊で学級運営にゲームを取り入れた。
・はじめは自分と児童の関係が良くなれば、クラスが良くなるって確信してたけど、子ども同士の関わりやつながりが良くならないとクラスはまとまらないことに気付いた。
・そんな時、ボードゲームを特別支援教育に導入していた先輩の話を聞いた。
・遊んでみると、なるほど面白い。
・学校が担任の個性を生かした学級経営に理解があったこともあり、試してみた。
・さほど親しくなかった子ども同士が一緒に遊ぶようになった。
・自分中心で物事を考えていた子が周りの子に気を配るようになった。
・目に見えて成果が現れてきた。
・現在の学校に異動してからのある年、ネパールから転入生(タブレットによる語学支援はあるものの日本語は全く話せない)が来た。
・子どもたちは言語に依存しないパズルゲームに誘い、コミュニケ―ションを取った。
・今夏、自らの実践例を記した本「ボードゲーム教育」を出した。
・休み時間の過ごし方の選択肢を一つ増やすだけで救われる子は多い。
★「ゲット・ザ・ポイント」(SDGsをテーマにしたユニークな協力ゲーム)
・ゲームを作ったのは門川良平さん(39)(すなばコーポレーション)
・ベネッセで教材開発を手掛け、都内で2年間小学校教師、その後企業。
・「ゲット・ザ・ポイント」は2年前に発表。相模原市、市原市で教育現場に導入。
・「世界共通の目標を定めるってどういうことか腹落ちできるような体験をゲームで表したかった」
・木材や鉄などの6種の資源カードを組み合わせて、食物や家など10種のアイテムを作る。
・種類ごとに点数の異なるアイテムを順番に一つずつ作り、ゲーム終了後に作ったアイテムの合計点が多ければ勝ち。
・基本は4人1組で始め、1戦目は同じ組内の個人戦、2戦目は他の組と競う団体戦。
・高い点数のアイテムばかり作るとゲームは早い巡目で終わってしまうため、資源管理に気を配ることになる。
・ゲーム中には、自然災害やリサイクル推進などの予測不能なイベント起きて、そのたびに資源が減ったり増えたりする。
12月15日(木)の読売新聞にもボードゲームの面白さが紹介されていました。
・ボードゲームを含むアナログゲーム市場は前年度比で15%拡大。(2020、矢野経済研究所)
・ビックカメラでもカードゲームなどを含むボードゲームの売り上げは伸びている。
・「人生ゲーム」が品切れになることもあった。
・ボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFÉ」は大都市部に13店舗。
・飲み物片手に仲間と遊べる。対面で遊ぶ魅力が評価される。
・初心者には店員がお勧めのゲームを紹介し、ルールを説明する。
・多い店には1300種類以上のボードゲームを用意。
・20~30代を中心に、土日は予約で満席になることもある。
・「カタン」(資源を集め無人島を開拓していく陣取りゲーム)
・「宝石の煌(きらめ)き」(宝石商になって宝石を買い集め名声を得ていくゲーム)など、欧米で誕生したものが日本でも人気。
加賀先生の「休み時間の過ごし方の選択肢を一つ増やすだけで救われる子は多い」が印象に残ります。私も家で使わなくなったボードゲームなどを教室に用意しておきました。異動の度に教室に置いていきました。
この冬休みは久々に「かるた」なんてどうでしょう?
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