· 

No弐-622  職員室の配置2

 読売新聞「教育ルネサンス」は、先週11月29日(火)から「学び舎の工夫」が連載されています。昨日4回目の「職員室『席自由化』で活性化」の見出しが目に留まりました。 

 職員室配置については、No619(2020年3月6日) で取り上げたことがあります。

 

★職員室 配置換え効果的に(3月6日の読売新聞朝刊の「学ぶ 育む」の「最前線」から)

・小中高で職員室のレイアウトを工夫するケースが増えている。

・管理職の机は室内全体が見渡せるように出入り口から中央付近に移す。

・教職員が自由に打ち合わせや採点などの作業ができるスペースを設ける。

・衝立などで仕切り、生徒のプライバシーを守りながら教員が面談できる場所を設ける。

・教員個別の机をやめ、4~8人で使う長机に切り替えた。

・教員個人の書籍や資料は窓際の個人ロッカーで管理し、机に積み上げなくなった。

・教員が座る席を固定しない「フリーアドレス制」を採用した。

・横浜の小学校では、レイアウト委員会が中心になり毎年見直し、「背面式」を採用。同学年は背中向きになるように机を配置。

 席替えは年3回実施(整理整頓やコミュニケーションを促すため)。

 

★「フリーアドレス」を取り入れた神奈川県の中学校の例

・平日の夕方職員室がにぎやかになり、濃密なコミュニケーションが生まれる秘密は、個人の席を固定しない「フリーアドレス」に変えたため。

・教員は、パソコンやタブレットを手に、思い思いの場所で作業する。

・隣席の顔触れは日替わりで、別学年の教員と話す機会も増える。

 

・当時の校長から相談を受けた統括教諭(40)が自費でデンマーク視察。民間企業の導入例も調べ、フリーアドレスを提案。

・2020年度から職員室半分で試行。21年度から全面拡大。

・個人の机を倉庫にしまい、パソコンルームが大型の机を運び入れた。

・課題になったのは職員会議や校内行事などの大量の紙資料。自分の席がないと資料の置き場がない。

 →紙の資料はスキャンしてデータ化。新しい資料も紙を極力減らし、チャットなどで情報を共有。

・「資料を探す手間や印刷時間が減らせた」「相談しやすい雰囲気になった」と好評。

 

・放課後、教材づくりに充てる時間を十分確保できるよう、時間割の見直しを進めた。

・1か月の平均時間外勤務は59時間(18年度)→27時間(21年度)に減らせた。

・移動したてでフリーアドレスに不慣れな教員向けには、名札を置いた「指定席」を用意し、会議資料は印刷して紙で渡す。

 

★職員室のリノベーションのポイント

◎「スペース創出」 使っていない机、誰のものか分からない資料が入ったキャビネットは別の部屋に移し、職員室の中央部のスペースを確保。

◎「動線デザイン」 プリンターやコピー機、作業テーブルなどを中央に置き、自然と教員同士が集まる場所を作る。

◎「教員の話し合い」 理想の職場環境についてアイデアを出すコンテストを開くなど、互いの考えを知る。

 前任校で職員室のリノベーションに取り組んだ事務職員の方の話です。

「忙しい先生は、どうしても自分の席に張り付いて作業しがちになる。

 自分の席から離れ、コミュニケーションが増えると、視野が広がり、チャレンジしようという前向きな意識が生まれる」

 

 鋭い指摘だと思います。みんな教室で仕事しないのかしら?時間割の工夫も気になるところです。

 私も現役なら、やってみたいです。環境が変われば、意識や行動は変わるのですから。働き方改革にはこういう発想は必要だと思いませんか?