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No弐-620  文科省委託調査1

 今日は松山を離れてみようと思い、先週日本最南端の駅に行ったので、次は愛媛の夕日の綺麗な絶景の駅「下灘駅」に行ってきました。

 他にも土門拳さんの若い看護師さんのポスターが気になって八幡浜市美術館に寄り、初めてみた大洲城、大正時代の芝居小屋の内子座や街並みを見て、今奥道後にいます。

 

 さて、恒例のクロアチア戦の新聞の見出しを比べてみましょう。

★読売新聞 日本また8強の壁、若き代表「新時代」見せた、近くて遠い8強、強豪に2勝 勲章、試合巧者ぶり 相手に軍配、大健闘ブラボー!!、新しい景色 次こそ

 

★朝日新聞 日本、クロアチアにPK負け 8強の壁再び、磨いた対応力 新時代、敗れぬ関門 無常のPK戦、「コース狙い」世界と差、悔し涙 次の糧になる、前向く主将―壁をどう越えるか、考える4年が始まる

 

 今日は、先週(11月28日・29日)朝日新聞朝刊に文科省の委託で、どんな人が教員になっているかを探った初の全国調査の記事があったので注目してみようと思います。

 

★「教員の資質能力の育成等に関する調査研究」

調査①出身大の「一般的な入学の難しさ」

・「あまり難しくない」「難しくない」と回答した正規教員の割合

 小学校20代(26.7%)、30代(14.8%)、40代(11.6%)、50代(11.5%)

・「中学3年の時の成績の自己評価」、「出身高校の一般的な入学の難しさ」でも同じ傾向。

 

調査②私立大出身者の占める割合

・小学校20代(57.5%)、50代(41.9%)

 

 3人の大学教授はこんなことを言ってます。

★分析した松岡亮二准教授(龍谷大・教育社会学)の話

・年齢層で、ふり返る時間の長さや大学進学率が異なることに留意が必要。

・特に小学校の20代で、入学難易度の低い大学の出身者が増えている。(高校の教員では見られない傾向)

 

・背景として教員になる上での2つの「選抜」の変化

 ①大学入試(教員養成前の選抜)

 ・文科省は教員を養成する教育学部などの入学定員の抑制方針を撤廃。

 ・小学校の免許は私立大で広くとれるようになった。

 ◎小学校で免許を取れる私立大 50校(2005)→191校(2021)約4倍増

 ・国立は51校→52校 微増

 ②教員採用試験(教員養成後の選抜)

 ・ベテランの退職による新人採用増で、小学校採用試験の倍率は近年下がり続けている。

 

・小学校教員になる人の変化は政策の意図通りなのか。

 やりっ放しではなく結果を検証し、今後の政策議論に反映すべき。

・若手の成長を支援するため、以前より手厚い研修とその効果の検証が必要。

 

★末富芳教授(日本大・教育行政学)の話

・難関大出身の教員が、子どもにとって良い教員かどうかは分からない。

・米国や英国のように教員と子どものそれぞれの基本データを取り、互いの関係を調査する必要がある。

・文科省が教員政策を進める上で初めて調べた歴史に残る調査。

・今回が出発点で、さらに続けるべきだ。

 

★油布佐和子教授(早稲田大・教育社会学)の話

・問題は入試の難易度だけではない。

・私学は国公立に比べて入試科目が少ないため、入学後、大学は全教科を教える小学校教員になるにふさわしい授業を行うことが求められる。

・05年に規制緩和する際、そんな課題がどこまで議論されていたか疑問だ。

・十分なデータに基づいた政策決定がなされていないことに警鐘を鳴らす調査だ。

 

 3人の教授の話を読んでどんな感想を持ちましたか? 明日につづく。