一昨日11月19日(土)日本経済新聞別冊「プラス1」の「くらし探検隊」は、「黄金比と白銀比」についてでした。
算数で比を扱うのは6年生でしたっけ?「授業のまくら」にいかがでしょう?
◎黄金比(1:1.62)
・名刺 縦5.5㎝、横9.1㎝ 1:1.65
・ポイントカード・クレジットカード 縦5.4㎝、横8.6㎝ 1:1.6
・パルテノン神殿(ギリシア) 高さと幅が1:1.62
・クフ王のピラミッド(エジプト) 高さと底辺が1:1.62
・ミロのビーナス 足元からへそまでと足元から頭頂部までが1:1.62
・モナリザの顔 髪に隠れていない部分の横と縦が1:1.62
★牟田淳教授(東京工芸大)の話
◎黄金比の歴史
・ギリシアで紀元前300年ごろに書かれた数学書「ユーグリット原論」に中に見ることができる。
・ローマ時代には建築理論、ルネサンス期にはパチョーリの数学書「神聖比例論」で黄金比が「神聖比例」として登場。
・もともと西洋人は細長い形が好きで、結果論的に突き詰めたものが黄金比かもしれない。
◎西洋人と日本人の嗜好の違い
・19世紀後半~20世紀初頭の欧米での調査(複数回)。縦横比を変えた四角形から好みのものを選ぶと、黄金比の人気が最も高い。
・2012~15年にかけて米英での同様の調査でも黄金比の人気が最も高い
・国内での「6つの四角形から好みを選ぶ」調査
1位「正方形」、2位「白銀比」(1:1.41)、 4位「黄金比」
・日、英、米での「かわいいと思う顔」調査。
英米では、「おでこを出した細長く見える形」が人気。
日本では、「前髪をたらした顔」が上位を占める。顔の表面は「正方形」に近い丸い顔の方を好む。
◎白銀比の歴史
・白銀比は、2000年ごろに書籍で目にするようになった最近の言葉
・1990年代には「ルート矩形(くけい)」と紹介。
・仏教の伝来と共に大陸から日本に伝わる。
◎白銀比
・弥勒菩薩(広隆寺)を斜めから見た顔
・法隆寺の五重塔は一番上の層の横幅と一番下の層の横幅。
・トトロ、ドラえもん、ミッキーマウスも白銀比の中に収まる。
・欧米ではバットマンなど細長いキャラクターが人気だが、日本人はキャラクターに美しさよりかわいさを求めている。
・文庫本 横10.5㎝ 縦10.8cm 1:1.41(米国の本1:1.51)
・阿修羅像(興福寺) 顔は正方形に収まり、全身はほぼ白銀比に収まる。台座を含めると黄金比に収まる。
★田村奈優太さん(ウェブデザイナー)の話
◎最近のデザイン
・黄金比を意識して取り入れている。
パソコン画面のサムネイル画像の大きさ、アップルやグーグルのロゴ。
・白銀比はウェブデザインに取り入れることはないが親しみを覚える。
東京スカイツリー 展望回廊までの高さと全体の高さの比率
私も30代の頃、ある研修会で黄金比の話を聞いて印象に残っていました。偶然なのか、意図的なのか、美意識へのロマンを感じますよね。
白銀比は、日本では古くから大工さんの間で、「神の比率」とされ、建築物の中に多く取り入れられ、「大和比」とも呼ばれ、大工道具の「曲尺(かねじゃく)」には、今も裏面に白銀比が目盛として残っているんだそうです。
「黄金」、「白銀」・・・・調べてみると「青銅比」(1:3.3)がありました。
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