昨日の朝日新聞「論の芽」は、「子どものあだ名」を取り上げていました。
皆さんの学校も児童が互いを「あだ名」で呼ぶことを禁止し、全員「さん」付けをしているのかしら?
児童の呼称に詳しい三島浩路教授(中部大、社会心理学)の話を紹介します。
★子どもたちのあだ名をつける文化
①「仲良しグループ」
・この傾向は女子に強く出る。
・グループ内ではあだ名で呼び合い、その外にいる子には「さん」付けをする。
・親密な関係を表すためにあだ名を使い、言葉によって集団の内外を明確に分離している。
・呼んだ子と呼ばれた子の間だけでなく、周りの子に対して2人の関係性を示す機能もある。
②「階層」
・ステータスの高い子が、自分の方が上だと示すために、ステータスの低い子をあだ名で呼ぶことがある。
・ステータスが生まれるのには、何らかの価値の基準がある。(力の強さや裕福さなど)
・片方があだ名で、もう一方は「くん」付けで相手を呼んでいると、力関係が見えてくる。
・この関係の中では、相手を傷つけるようなあだ名が付けられることがある。
・特にグループ内では、傷つくようなあだ名がつけられても、グループから排除されるリスクがあるから、「嫌だ」と言いにくい。
★先生の提言
・学校や教員が「さん」付けするよう誘導したとしても、こうした子どもたちの文化があり限り、教員の前では「さん」付け、指導が及ばないところではあだ名というダブルスタンダードになりかねない。
・教員にとって、子どもの呼ばれ方やその変化は、関係悪化の兆しやいじめなどの問題を把握するための重要な情報源にもなる。
・状況に応じて個別に対応することは重要。一律に禁じることには疑問。
・こういう子どもの文化があることを前提に、ステータスにつながる価値観を教員が多様化することが大切。
・ステータスの低い子も、別の一面では高いかもしれない。
・ひとりひとりの良さをクラスで共有すれば、ネガティブな呼び方は抑制される。
私もあだ名を一律に禁じるのは疑問です。呼ばれ方の変化には敏感でありたいです。
「教員の価値観の多様化」「一人一人のよさの共有」を さ、はじめてみましょう!
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