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No弐-592 中邑賢龍先生から学ぶ2

 昨晩は、皆既月食を見ることはできましたか?天王星が月に隠れる惑星食との共演は442年(1580年7月)ぶりだったそうで、次回は322年後の2344年7月の土星食だというので、慌てて外に飛び出しました。

 今日も11月6日(日)読売新聞「あすへの考」の中邑賢龍名誉教授の話に注目してみようと思います。

 先生は、ストレートにいくつかの問題点や疑問を投げかけ、提言されています。皆さんはどう考えますか?

 

★頑固でこだわりが強かったり、他動の子がいたら?

・先生や同級生には「厄介な」存在かもしれない。

・教室運営の邪魔になるからと、学校は親に「ちゃんとしてください」と言う。

 親は子どもに「ちゃんとしろ」と言う。

 

★教室を立ち歩く子がいたら?

・立ち歩いていても、話を聞いている子は結構いる。

・先生が「君は立って聞くのが好きなんだね」と緩やかに認めれば、周囲も理解するようになる。

・「あなたが座らないと朝の会が始められない」なんて言うから、子どもは追い詰められる。

 

★すぐに発達障害と決めつけすぎ?

・学校から「薬を飲んで落ち着いてから登校してください」と言われた話には驚いた。

・高度の障害で苦労しているケースもあるが、個々の性格や認知機能の偏りに過ぎないものまで、すぐに発達障害と決めつける行き過ぎた風潮を憂慮している。

 

★宿題の出し方は?個別は可?

・文字を書くのが極端に苦手な子どもは一定数いる。

・タブレット端末などを活用し、宿題の出し方を配慮することは有効だが、個別の扱いは「不公平になる」と許容しない学校が多い。

 

★学校は「一律」を求めているのか?

・不登校が増えているのは、登校しないことへの抵抗感が弱まったという背景もあるが、学校があまりに「一律」なのが問題の根本。

・もっと柔軟に多様な学び方や個性を認めれば「変わった子」も排除されず、生きやすい社会につながる。

・空気を読む人ばかりでは、新しいものは生まれない。

 

★親の心がけは?

・子どもが成長するにつれ、親は上手に手を放す必要があるのに、つい先回りして手を出し過ぎる傾向が強い。

・決して見捨てずに、「放っておく」ことが肝心。

 

★ギフテッドは?

・幼い頃に特異な才能を持つ「ギフテッド」と言われる早期教育を施すのも、慎重に考えた方がいい。

・年齢とともに周囲が追い付いてきて、「あんなに頑張ったのに」と本人が苦しむ例もある。

・もっと自然体で子どもとつきあえばいい。

 

★スマホは?

・スマホが手放せない子も増えており、18歳未満に何らかの制限が必要。

・年齢が若いほどインターネットの速度が遅い仕組みはどうか?

 

★不登校支援の実情

・不登校の多くの子どもは家にこもり、外に出るきっかけがなかなかつかめない。

・学校の出席扱いになるフリースクールや自治体が運営する適応指導教室に通う子もいる。

・費用が高額だったり、受験指導の場になっていたり、内容はバラバラなのが実情

 

 日曜日のテレビ「ザ・ノンフィクション」は、ご覧になりましたか?

 子どもや母親の悩みを聞いてあげる、支えてあげる受け皿が身近に必要なんです。

 不登校特例校も全国設置を目指しているそうですが、まだ21校です。たとえ、都道府県に1校あっても全員通えますか?

 こういう子どもたちを支えようと動いた人たちの芽を摘んでほしくないのです。

 あのテレビを観て支援しようという声が上がることを願っています。