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No弐-591 中邑賢龍先生から学ぶ1

  不登校の小中学生は24万人を超え、小中高、特別支援学校のいじめの認知件数も61万件を超え、いずれも最多更新するという暗いニュースをお伝えしました。

 これに関連した11月6日(日)読売新聞「あすへの考」の中邑賢龍名誉教授(東大先端研シニアリサーチフェロー)の話に注目してみようと思います。

 

★中邑先生の取り組み

◎「異才発掘プロジェクト」

・2014年から7年間、東大と日本財団が共同で運営。

・特定の分野に突出した能力を持つが、苦手なことも抱えて学校教育になじめない小中学生を毎年10~30人程度選抜し、海外研修も含めて学びの場を提供。

・半数ほどは、自分の拠り所を見つけ、終了後は学校に戻る。その後、大学に進む人、映像の世界など得意の分野で活躍する人がいる。

・一方で「自分は何者にもなれない」と挫折感を抱く子もいる。

・プロジェクトに選ばれること自体が目的になってしまった面もあった。

 

◎「LEARN」

・2021年、日本財団の支援終了を機に、単発の活動を月数回行うプロジェクトをスタート。

・突き抜けた才能がなくても、学校になじめず困難さをかかえる子も、より幅広く支援する方向。

・事業の運営費は企業の寄付。

・広島県、福島県、渋谷区の自治体と連携する事業もある。

・様々な分野で活躍する大人が協力。

 真冬の北海道の牧場で働く「家出体験」。

 行き先が分からない旅に出て、高知で漁船に乗り、料理研究家の土居善晴さんと魚をさばく体験。

 

・プログラムには、教科書も時間割もない。

・昔なら地域や家庭で教えていたような「生きる力」を身に付けてもらいたい。

・親から叱られずに育った子もいるが、甘やかしたりしない。

 朝の集合時間に遅れた者は置いていく。

 電話があったら、宿から自力で追いつく手段を探すように言うこともある。

 自分たちが困る経験をすることで、遅れまいと意識するようになる。

 

★中邑先生の夢

・今の学校や社会は、子どもを型にはめて育てることばかりに熱心で、自分たちの側を変えようとしていない。

・素直に学校に行っていても、知識だけの受動的な学びにこれでいいのかと疑問を感じている子たちもいる。

 「ちょっと授業が面白くないから、あっちに行ってくる」

 「今日はカブトムシのプログラムが面白そうだから行ってみる」

・不登校かどうかにかかわらず、誰もがクラスを離れて参加でき、在籍校にも認められているもう一つの「きみの学校」。

・そんな場が全国各地にできればと、夢見ている。

 

 9年前の2013年12月に「がるべる」を立ち上げた時の私の夢と似ているなと思いました。

 年齢も立ち上げた時期も近いのも気になります。

 私は、志を同じにする先生や教え子、保護者、友達、先輩、後輩、多種多様の職業の人と一緒に、ワクワクする学びを体験できる学校をつくりたいと考えました。

 力不足で、夢は実現できていませんが、せめてワクワクする学びはメンバーの先生たちに託します。  

 明日につづく。