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No弐-590 いじめの増加(2021年度)

  先月10月27日(木)に文科省の「問題行動・不登校調査」(2021年度)の結果が発表され、先週金曜日に「不登校の増加(2021年度)」を取り上げたので、今日は残りの「いじめ」に注目します。

 

★いじめ・自殺の実態

・小中高、特別支援学校のいじめの認知件数は61万5351件(前年度比19.0%増)。

 小学校50万562人(18.9%増)、中学校9万7397人(21.1%増)

・「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」(57.8%)

 「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」(22.9%)

 「仲間外れ、集団による無視をされる」(12%)

・「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」ネットいじめは2万1900件(3.6%)。調査開始の06年度は4883件(4.5倍増)。過去最多。

 小学校9454件(27.6%増)、中学校9783件(12.9%増)、高校2454件(5.5%減) 

 

・心身に重い被害を負ったり、長期欠席を余儀なくされたりした「重大事故」は705件(191件増)。

・小中高校での教員や同級生に対する暴力行為は7万6441件(同15.5%増)。

 小学生の暴力行為は4万8139件(同17.2%増)。過去最多。

 千人当たり件数(7.7件)が中学生(7.5件)を初めて上回る。

・小中高の自殺者数は368人(同47人減)。このうち6人はいじめ確認。

 

★ネットいじめ対策

・「cyberbullying(サイバーブリング)」と呼ばれ、海外でも問題視されている。

・欧州16カ国のネットを利用している9~16歳のうち平均14%がネットいじめの被害に遭っていた(英ロンドン・スクール・オブ・エコノミーの調査)。

・対策として、教員や親や子供の啓発活動。

 

★各国で重視されている通報システムの整備

・米国では14年に民間企業が通報アプリ「ストップイット」を開発。

・チャットで手軽にやり取りができ、カナダやオーストラリアなど7カ国に広がった。

 

・千葉県柏市は17年度に導入し、22年度は小学6年から高校生まで60校が利用。

 これまでに寄せられた通知・相談は累計で800件を超えた。

 送り手が了承すれば匿名で学校と情報を共有する仕組み。 

 

★朝日新聞社説から

・文科省による教育員会への聞き取りで、いくつかの要因は見えている。

 ▽行事の縮小や黙って食べる給食など制限が残る学校生活に登校意欲が減退。

 ▽休校・学級閉鎖などで生活リズムが混乱

 ▽学校を休むことへの子ども・保護者・教員の心理的なハードルの低下

・いずれの問題も、学校が原因を見つけ、対応にあたるのが基本だ。

・だが、長時間労働で教員が疲れ果てている状況では、子どもとじっくり向き合って信頼関係を築くことは難しい。

・スクールカウンセラーなどの専門家の配置を増やすほか、

 学校が事務作業の削減やIT機器の活用など進めやすい環境を整えることが欠かせない。

・問題の兆候に教員が早めに気づけるよう、国や教委は働き方改革を加速しなければならない。

・とはいえ、子どもたちの支援は待ったなしだ。 

・不登校の子のオンラインで勉強を教えるNPOや、地域住民が営む「子ども食堂」などが、家庭でも学校でもない「第三の居場所」となるケースが増えている。

・学校は、教委や、児童相談所などの福祉部門に加え、こうした人たちとも連携する必要がある。

・情報を共有して、多くの目で見守り、それぞれの子に最適な支援を探ってほしい。

 

 この方の言う通りだと思いませんか?

 これを1つでも多く、1日でも早く実現して欲しいです。