先週27日(木)に文科省の「問題行動・不登校調査」(2021年度)の結果が発表されました。
昨年もNo弐-201(10月14日)で「昨年度の不登校・自殺・いじめ」を取り上げました。
2020年度の不登校の小中学生は19万6127人。8年連続で増加でした。
小中学生のコロナ感染者は、20年度の9872人から、21年度は一気に46万6993人に増えました。今日は「不登校」に注目してみます。
★不登校の実態
・不登校の小中学生は、24万4940人(前年比24.9%増)。統計開始(1991)以来最多。
・不登校の小学生8万1498人(前年比28.6%増)、中学生16万3442人(同23.1%増)。
・20万人超えは初。いずれも9年連続増。全体で4万8813人(24.9%)増。
・学校内外で相談したり、指導を受けたりしていない割合(36.3%)。4年連続減少。
・不登校含む30日以上の長期欠席は小中学校で41万3750人(同43.8%増)。過去最多。
・感染回避のため30日以上の欠席は5万9316人。3倍増。
・自宅で端末を使った学習活動が「出席扱い」となったのは1万1541人。
★不登校の要因
①無気力、不安(49.7%) ②生活リズムの乱れ、遊び、非行(11.7%) ③いじめを除く友人関係(9.7%) ④親子の関わり方(8.0%) ⑤学業の不振(5.2%) ⑥その他(15.6%)
★現場の声
A小(都内公立小養護教諭)
・昨年ぐらいから友人を小突いたり大声を出したりする児童が目立つ。
・こうしたトラブルで不登校になるケースが目立つ。
・「一概に言えないが、距離をとるよう繰り返し指導され、仲を深める方法がわかりにくくなっているのかも」
B小(都内公立小養護教諭)
・「人間関係に悩む子が年々増えているが、コロナで拍車がかかっているのが印象だ」
・マスクで互いの表情が見えず、「怒っている」などと表情を勘違いしてトラブルにつながるケースが少なくない。
C中(都内公立中校長)全校生徒の1割以上の50人が不登校
・親の目が届きにくく、十分に食事がとれなかったり、ゲームやネット動画で時間をつぶしたりしている生徒が登校意欲を失いがち。
★不登校急増の背景
・「休校や分散登校などを通じて『学校に毎日通わなくてもいい』という現実を経験し、子どもたちは休むことに罪悪感を持たなくなった。
オンラインにより在宅学習が広がり、子どもにとって勉強する選択肢が増えたとも言える」(神奈川県公立中勤務のスクールカウンセラー)
★折出健二名誉教授(愛知教育大)の話
・「大人も子どもも他者とのつながりがうまく持てなくなっているところへ、マスク着用や『黙食』など規制が強まり、コロナ2年目の昨年、息苦しさがさらに増した」。
・学校での遊びも行事も少ないままで、疲れてしまった子が増えた。
・「オンラインでもいいので、心を開いて話せると誰かとつながりを持ち続けることが重要。
国や自治体には、スクールソーシャルワーカーのように家庭のこともあわせて対応できる人を増やすことが求められる」
一日も早く「黙食」がなくなってほしいと願います。
あらためて「他者とのつながり」を大事にしていきたいと思いました。
残りの「いじめ」については、来週月曜日に送ります。
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