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No弐-584 オリックス26年ぶりの日本一

 一昨日、プロ野球では、オリックスが4連勝で26年ぶりの日本一に輝きました。

 前回の96年ってどんな年だったか、覚えていますか?

★1996年(平成8年)

・大阪府堺市の小学校で発生したO157の病原菌による集団食中毒。

・羽生善治が史上初の将棋タイトル七冠独占達成。

・イギリスのチャールズ皇太子、ダイアナ皇太子妃夫妻離婚。

・米・ニューヨーク沖でトランス・ワールド航空機墜落事故。乗客乗員230人全員死亡。

・アトランタオリンピック開催。

・任天堂が家庭用ゲーム機「NINTENDO64」発売。

・「名探偵コナン」放送開始。

 

 今日は珍しく、図書館で見つけた「日刊スポーツ」の記事からです。

★96年のオリックス

・前年の95年1月に阪神・淡路大震災が発生。

・当時本拠地の神戸が壊滅状態となり、チームは「がんばろうKOBE」を合言葉に95、96年とリーグ2連覇を達成。

・96年はイチローのサヨナラ安打でリーグV。

・「メークドラマ」の長嶋巨人との日本シリーズを4勝1敗と圧倒。

・チームがオリックス球団となって初の日本一に輝く。

 

★記録

・オリックスの26年ぶりの優勝は、6番目のブランク。

 ①53年ぶり「中日」(54~07)、②44年ぶり「日本ハム」(62~06)、③38年ぶり「横浜」(60~98)、④35年ぶり「ダイエー」(64~99)、⑤31年ぶり「ロッテ」(74~05)

・対ヤクルトは78、95、21年と敗れる。4度目の対戦で初めて倒す。

・2年以上連続同一カード(11回)で前年敗退チームが勝ったのは3度目(93年ヤクルト、07年中日)。

・シリーズ得点(ヤクルト23点、オリックス22点)、相手より少ない得点勝利は2度目(04年西武)。

・オリックスの投手数は合計38人で最多。

・スタメンに外国人を使わないのは20年ぶり(02年巨人)。全員生え抜き日本選手スタメン日本一は38年ぶり(84年広島)。

 

★育成のオリックス(朝日新聞)

・オリックスは、イチローが大リーグに移籍した2001年以降、20年間でBクラス18回。

・転機は、14年オフ。球団はベテラン打者や外国人など大型補強したが、15年には5位転落。苦い教訓を得て、補強から育成にかじを切った。

・Bクラスが続いても高校生を指名し続けた。

・練習拠点を神戸から大阪・舞洲へ移転。専用球場哉選手寮を新設し、恵まれた環境で育成。

 

中嶋監督も選手として出場した95年の日本シリーズは、ヤクルトに1勝4敗。

指揮官として臨んだ昨季もヤクルトに敗れ、3度目の挑戦で夢を叶えました。

昨年No弐-215(2021年10月28日)で「中嶋聡監督から学ぶ」で監督の采配を取り上げました。

 ★中嶋監督の采配

・ベンチを温めるだけの選手はいない。

・「勝利に向かって全力でやる選手を使う」

・選手の体調維持に細心の注意を払う。

・休養を目的に1、2軍を頻繁に入れ替え、投手の登録抹消延べ60人はリーグ最多。

・救援投手の3日連続登板は12球団で唯一なし。 

・選手の秘めた力を見抜く眼力は、プロ野球タイ記録の実働29年の現役生活が培ったもの。

 

★今年のナカジマジック(日刊スポーツ、朝日新聞)

・大胆な采配は「ナカジマジック」と言われる。

・「調子の良い選手を使って、『全員で勝つ』。それをシンプルにやった結果です」

・選手をよく観察し、監督室にこもってデータをかき集め、調子を見極めるために積極的にコーチ陣に話しかけ、戦力分析を行う。

・数字だけでなく、選手の心情まで把握し、輝ける場所を探し、適材適所の役回りを与える。

・ダブルストッパーの平野、阿部が1、2戦で一発を浴びると、2人を本拠のファンの前で中継ぎでリベンジの機会を与える。安倍には「下を向くな」と伝え、ピンチを託す。

・今季143試合で141通り(昨年は130通り)にスタメンオーダーを組み、日本シリーズでも第6戦まで毎試合異なるオーダーを組んだが、この日(第7戦)は第6戦と同じメンバー。

(前日と同じスタメンを組んだのはたった1度しかない)

・言葉は少ないが、どこか温かみがある。

・選手たちとの距離感が絶妙。「こいつら、俺を友達やと思っとるよ」

 

「選手が失敗しても、こっちの責任。取り返そうとする姿を見せてくれたら、俺は我慢できる」

「責任はすべて俺が持つ。みんなが背負うものは何もないので、思い切っていってほしい」

 こんな声かけられたら、やる気でますよね。子どもも同じじゃないかしら?

 やはり育成には指導者と人を含めた環境が必要ですね。