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No弐-571  広がる性別に触れない表現

 先週10月14日(金)読売新聞朝刊「ニュースの門」に、性別に触れない表現が広がっているという記事があり、注目してみました。

 日本でも「性的少数者(LGBTQ)」への理解が少しずつ広がってきました。

同性カップルを結婚に相当する関係と認める「パートナーシップ制度」を導入するなど自治体も増え、社会も変化してきています。

 

・最近は男子児童を「君」ではなく、「さん」付けで呼ぶことを推奨する学校が増えている。

・海外の著名人のインタビューを日本語に翻訳する際、「~だわ」といった「女性言葉」の使用を控える動きがある。

・性的少数者らに配慮した言葉遣いを、欧米では「インクルーシブ・ランゲージ(包括的言語)」と呼ぶ。

 

★「Ladies and gentleman(紳士、淑女の皆さん)」

◎東京ディズニーランド(TDR)

・昨年3月から「Hello,everyone(みなさん、こんにちは)に変更。

 

◎日本航空(JAL)

・2020年に機内アナウンスを「all passengers(旅客の皆様)」に変更 。

 

★スペイン語の悩み

・ラテン語を起源とする国々では、単語そのものに「男女」があるので、大きな議論を呼んでいる。

・スペイン語の「amigo(アミーゴ)」という名詞は「友人」と言う意味で日本でもよく知られている。

・語尾が「o」で終わる「男性形」なので性格の意味は「男の友人」。

・友人が女性ならば、語尾が「a」の「女性形」になり、「amiga(アミーガ)」が正しい。

・スペイン語では、「みなさん」と親しみをこめて呼びかける時、それぞれを複数形にして

「amigos,amigas」と並べることがある。

・アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、これに「amiguesu(アミ―ゲス)」という架空の言葉をしばしば加える。「性別にとらわれない友達」と言う意味。

・こうした表現の使用は、性的少数者からの支持が厚い中南米の左派勢力に目立つ。

・8月に初めて左派政権が発足したコロンビアでは、副大統領が演説で使用すると、保守派から「言語を破壊している」と批判。

・スペイン語の標準を規定する「スペイン王立アカデミ―」も「スペイン語とは相いれない表現だ」と否定的。

・SNSでは決して珍しくない表現になっている。共存していく可能性。

 

★they

・米辞書出版大手の「メリアム・ウエブスター」は2019年「今年の言葉」に「they」を選んだ。同社のオンライン辞書で前年比313%増の検索があった。

・「they」は最近「he」や「she」のような使い方をされている。

・性自認が男女に分類されない個人を指す場合にも使用される。

・NATOがまとめた「包括的言語マニュアル」では、場合によっては「his」や「her」の使用を避け、個人の場合でも「their」を使うことを推奨。

 

 「包括的」という言葉が馴染まないのですが、性的少数者らに限らず、「配慮した言葉遣い」「個を尊重した言葉遣い」を心がけることが大事なんだと思います。