· 

No弐-565 子どもの自傷行為

  今日の朝日新聞朝刊の「くらし相談室」に「子どもの自傷行為」の記事がありました。

 自分の体を傷つける「自傷」をしている小中学生は「〇人に1人」いると思いますか?

 

★調査(国立成育医療研究センターを中心にした研究者や医師の有志チーム「コロナ✕子ども本部」、全国2350人の子どもが回答、2021年12月)

・直近1週間以内に「自分のからだを傷つけたこと(髪を抜く、自分をたたくなど)がある」

 小学5・6年生(16%)、中学生(13%) 

 

 「7人に1人」だったわけです。これって高学年の30人学級なら、4~5人いる計算になりますよね。頭の片隅に入れておく必要があると思ったわけです。

 

◎山口有紗先生(児童精神科医)の話

★自傷行為の定義

・一番狭いものは、リストカットのように皮膚を切ったり、焼いたりすることが含まれる。

・より広い定義では、「OD」と呼ばれる薬の過剰摂取などを含むこともある。

・個人的には、家出や安全でない性行為など、自分を間接的に傷つける行為も自傷ととらえられる。

 

★自傷する理由

・「一瞬、楽になる」「イライラするとやる」「やるとハイになる」「自分への罰」

・自傷をした時の記憶がない子、痛みを感じない子もいる。

・自分の心と体がつながらず、うまく言葉にできない場合もある。

 

★自傷への理解

・自傷には何かしらの機能があるのかもしれない、というまなざしが大切。

・心の痛みは見えづらい。痛みを可視化する、置き換えることで、なんとか自己治療をしようとしている側面もある。

・「自傷をやめなさいという言葉は、死ねということと同じ」と話す子もいる。

 自傷を取りあげられることが、その子どもにとっての何かを奪ってしまう側面もあるのかも、と気づくことも必要。

 

★自傷をしやすくする要因

・死にたい気持ちを抱えている。

・抑うつや不安障害などのこころの不調を抱えている。

・虐待やいじめ、貧困、家族の精神疾患といったトラウマ性のストレスを抱えている。

 

★親や周りの大人ができること

・子どもをしっかり観察する。

・この子はどんな体験をしているのだろうと、心の内に思いをはせる。

 

★避けたい対応

・頭ごなしに叱る。

・命の大切さを説く。

・二度としませんと約束させる。

・許可なく他の人に共有する。

 自傷行為をしたらむやみに怒らずに、何か意味があると思うようにするような土壌を作っておくことが必要。

 

 いかがでしたか?少しでも心の内に思いをはせることができるような人になりたいですね。