今日は、昨日紹介した9月22日(木)朝日新聞朝刊「スポーツ」欄に連載されていた「子どもとスポーツ」の体操の田中理恵さんの記事の隣にあった「幼少期から専門的なトレーニングは必要かー専門家に聞いてみた」に注目してみます。
専門家は、池田達和さん(とちぎスポーツ医科学センター長)。
ここで人間の「基本的な36種類の動き」が紹介されていました。これは、中村和彦教授(山梨大学副学長、発育発達学)が明らかにしたもので、私もこの研究に関心があったので懐かしくなりました。
★36種類の基本動作
◎姿勢の変化や安定性を伴う9つの動作
立つ、縮む、乗る、浮く、回る、逆立ち、ぶらさがる、起きる、渡る
◎重心の移動を伴う9つの動作
走る、登る、歩く、跳ぶ、泳ぐ、跳ねる、滑る、はう、くぐる
◎人や物を操作する18の動作
持つ、支える、運ぶ、掘る、当てる、押す、蹴る、振る、こぐ、ひく、打つ、渡す、積む、
押さえる、投げる、つかむ、捕る、倒す
皆さんは、この36種類の動きは、どれも体験したことはありますか?
クラスの子ども、自分の子どもはいかがでしょう?こういう遊びを体験しているかなんです。
★チェック
①「投げる」利き手と逆の足を前に出して、体をひねって投げることはできるか?
②「跳ねる」両足同着のジャンプで前へ進めるか?
③「立つ」両足をそろえたまましゃがんで立つことができるか?
④「はう」左右の手足を交互に連続してスムーズに動かし、前に進むことができるか?
・人間は幼少期に日常の生活や遊びを通じ、「動き」の習得をする。
10~12歳ごろに、その動きを発展、応用させる能力が発育する。
・何でもうまい選手と特定の動きがぎこちない選手がいるが、「基本」と「応用・発展」を幼少期に獲得したかどうかの違い。
・競技によっては特殊な動きが求められる。
フィギュアスケートや体操の「空中を回る動き」は、日常では、まずあり得ない。
小学校低学年までの時期から専門的な練習を始めないと、できるようにはならない。
・テニス、バドミントン、卓球などの物を介するプレー、
サッカーのボールを蹴る動き、バスケットボールのドリブル、
競泳の水をキャッチする間隔
早期から練習するのにふさわしい。
・体力の優劣が競技力につながりやすい陸上、自転車、カヌー、ボートなどは、開始年齢が遅い傾向にある。
・幼い頃から専門的な練習をしてきた選手の中に、ある程度のレベルからもうひと伸びがない例がある。その競技しかやってこなかったので、動きの応用や転化ができず頭打ちになる。
・高いレベルに到達してさらに伸びる選手は、子どもの頃からよく遊んでいた、多様な遊びをしていたと思われる。
小学校を卒業するまでに、ぜひ36種類の基本の動きを意図的に体験させてください。
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