9月20日(火)朝日新聞朝刊の「温暖化 食卓に異変」の見出しが目に留まりました。
★気候変動の朝食への影響
◎和食
①サケ
・昨年9月下旬、北海道豊頃町。赤潮。海が、泥が混じったように茶色になっていた。
・定置網に死んだ魚がかかり始めた。
・本来なら赤いはずのエラが、白くなっていた。
・死んだサケは、シーズン全体では1万匹以上。昨秋の水揚げは前年の半分以下。
・引き金と見られているのが海洋熱波。
昨年7月末から8月初め、北海道の東方の広い海域で海水温が平年値よりも最大6度以上も高かった。お盆の終わる頃には消えたが、続いてきたのが赤潮だった。
・原因は「カレニア・セリフォルミス」という植物プランクトン。
・海洋熱波が消滅する際、栄養源を豊富に含んだ低温水が持ち上げられ、赤潮が大発生した可能性。(北海道総合研究機構)
・2010年代に入り、世界各地で海洋熱波の後に大規模な赤潮が起こるという事例が頻発。
・海洋熱波は北海道の近海で今夏も発生。
・温暖化の進行とともに海洋熱波の頻度は増し、海洋生態系とそれに依存する人々に影響を及ぼすだろう。(IPCC)
②コメ
・お盆の頃に気温が高いと、デンプンの蓄積が正常に行われず、米粒が白く濁ったようになる。「白未熟粒」と呼ばれる品質低下。
・穂が出てから20日間の平均気温が26~27度以上になると、割合が増える。
・二酸化炭素がこのまま増えた場合、全国の収量は今世紀末に00年ごろと比べて約80%まで低下し、白未熟粒米の発生率は約40%まで増える。(農研機構)
・水田は強力な温室効果ガス、メタンの主な排出源。
メタンのもととなる菌は土壌にいるが、酸素があると活動できない。
水を抜いて土壌を乾燥させると、酸素が行きわたるので活動できなくなる。
・削減に有効なのは「中干し」(夏場に水田からいったん水を抜く)期間の延長。
中干しを1週間延長すると、メタンの抑制効果が約3割増。
・滋賀県では、県内の水田の4割近くで中干しの延長を実施。
③大豆 米国で2050年までに収量最大9割減
④ノリ 海水温上昇で漁期が短く
⑤お茶 ケニアで生産の適地が2050年までに4分の1減
◎洋食
⑥コーヒー 世界でアラビカ種の栽培適地が2050年に半減
⑦小麦 全米有数の生産地カンザス州で今世紀半ばに収量17~31%減
⑧牛乳 南九州で2060年代に1頭当たりの生産量減予測
★クルべジ COOL VEGETABLEから。地球を冷やす野菜。
・炭を畑に埋めることで大気中に増加している二酸化炭素の減少に導き、その畑で栽培された野菜のこと。
「地球環境」「食育」の話題も「授業のまくら」にいかがでしょう?
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