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No弐-543 本気の働き方改革に向けて

 昨日は、日本経済新聞の記事からエリザベス女王の魅力を紹介しましたが、同新聞の「教育」欄にあった「『教員離れ』どう歯止め」「授業に専念できる環境を」の見出しも目に留まりました。

 先週、「No弐-534 教員の勤務実態&今年度の採用倍率」(9月12日)で「小学教員の採用倍率最低」の記事を取り上げました。

・今年度公立学校教員採用倍率 小学校2.5倍(昨年2.6倍) 3年連続過去最低を更新。

・採用者数16152人(288人減)、受験者数40636人(2812人減)

・新卒者256人増、既卒者3068人減 受験者数の減り幅が大きく、既卒者が大幅減少。

 

・採用倍率が1を超えていても、倍率が下がると教員の質の確保に支障が出るとされる。

★質の低下進むおそれ

・全体の一部であろうが最近の新人教員は、「基本的な知識の不足」や「社会人としての資質の欠如」が目立つ。

・数年前の冬。都内の小学校の職員室で。東北地方などに降った大雪が話題になった。

 ある教員が「仙台が大変らしい」と口にしたところ、新人教員が「仙台はどこでしたっけ?」と尋ねた。職員室内は、一瞬静まり返った。

・担任なのに月曜の朝「起きられないので出勤できない」と先輩教員にメールを送る。

・本は漫画しか読まないと平然と言う。

 

★学校現場の余裕のなさ

・10年前なら採用試験に合格しなかった人が続々と現場に出てきている。それを丁寧にフォローするのに十分な余力が、残念ながら今の学校にはない。(都内の小学校のベテラン教諭)

 

★教員志望者を増やす対策

・文科省は、採用試験の時期を前倒しして民間人が流れにくくすること、

大学3年生から受験可能にすることなどを検討。

・東京都は10月、高校生から社会人までを対象にした採用イベントを初開催。

 会場には多数のブースを設置。来場者と現役教員らと対話、不安や疑問解消。

・茨城県は21年度から試験日をずらし、併願をしやすくする。県外3都市に試験会場。

 

★働き方改善の視点

・教員離れを止めるには、「学校はブラック職場」というレッテルを剥がさなくてはならない。

・それには教員の働く環境、特にワークライフバランスの改善が欠かせない。

・働き方の改善は任期付や時間限定で働く教員を採りやすくすることにもつながる。

 

・いま小中高校の教育は転換期にある。英語、情報端末、デジタル教科書・・・。

 教員の能力の開発と発揮が最大に求められる局面。

・どんなに優れたカリキュラムを立案しても教員が実現できなければ絵に描いた餅である。

・教員が授業の運営や教材・指導法の研究に専念できる環境を整えることが喫緊の課題ではないだろうか。

・教員の働き方は単に労働問題ではなく、教員の質を左右する論点だが、このことへの社会の理解は必ずしも十分ではない。

・現場の実態を見据え、この国の将来人材の育成に必要なマンパワーの整備という観点から制度改革を進める必要がある。

 

 「その通り!」「よくぞ言ってくれた!」この記者さんの言う通りだと思いませんか?

 こういう声をもっともっと届けてほしい。もっともっと広がってほしいですよね。