9月11日(日)の朝日新聞にあった「性教育 隣国も一歩ずつ」の見出しが目に留まりました。
「性教育」は、ここ数年、必要性が改めて認識され、関心の高まりを見せていることはご存知でしたか?
8月の「〝人間と性〟教育研究協議会」(性教協)の40周年記念オンラインシンポジウムで報告された4人の話が紹介されていました。
★韓国
◎ウオギヨン理事長(社団法人「保健教育フォーラム」)の話
・韓国では以前、性教育を含む「保健教育」が教科として位置づけられておらず、保健教師を中心に教科化を求める運動が起きた。
・2007年に改正法案が通過し、現在は教育課程に位置付けられているが、中学・高校は選択扱いで実施にばらつきがある。
・最近の保健教育の教科書の内容を紹介。
小学5年では、他者との境界線(バウンダリー)の概念を扱う単元がある。
道路上の境界線などを見ながら児童自身が考え、境界線を越える場合に同意を求めたり、拒否したりすることを含めて学ぶ。
◎李明花(イミョンファ)センター長(AHA!ソウル市立青少年文化センター)の話
・実際に寄せられた具体的な質問を使って、子ども同士で話し合い、考える体験型のワークショッププログラムを開発。
・ここ数年で、性やジェンダーの問題をめぐって男女の分断や対立が激化し、大統領選の投票行動にも影響。
・一部の保護者や宗教勢力からのバッシングも強いが、ニーズは高く、実際に包括的性教育を受けた子どもの保護者の満足度も上がっている。
★中国
◎劉文利(リウウエンリー)教授(北京師範大学)の話
・学校に置ける包括的性教育は、子どもたちのウェルビーイング(心身の健康と幸福)や尊厳を実現するための方法。
・07年、小学校や幼稚園、中等教育向けのカリキュラムを開発したが、採用する学校は少ない。
・小学生へのエイズなどへの偏見や差別的態度の軽減に一定の効果。
・テキストを見た保護者が否定的なコメントを添えてテキスト写真をネットに登校し、全国的な議論に。
◎方剛(ファンカン)さん(民間で性教育の取り組む)の話
・13年から人権の保障やジェンダー平等の促進、自己決定権の尊重などを目指す「エンパワメント型性教育」を提唱。青少年向けの性教育キャンプ、指導者向けの研修。
・中国政府は性教育を重視しているが、学校の性教育はほとんどゼロ。
・政府は世論に敏感。保護者などと衝突すると、実践は難しい。
・以前は学校で性教育を行う先生への研修をしていたが、実践は広がらず、限界を感じた。
・その後、商業化したことで、学校のタブーを打ち破ることができた。
・有料だからこそ、保護者は理念に共感し、相応の質も求めてくる。性教育の改善を促進している。
・商業化が性教育を推進する原動力になっている。
性加害、性犯罪をなくすには、性教育がもっと普及されるべきだと思います。
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