先日図書館に行った時、一昨日紹介した毎日新聞夕刊(9月2日)の「日傘NG」の他に、朝日新聞夕刊(8月29日)の1面の見出し「英語講師でも聞き取れなかった」が目に留まりました。
英語講師の矢野力さん(40)は、三重県で小中学生向けの個人塾を経営。
「『魔女の宅急便』を英語で鑑賞してみたら、英語を教える塾講師なのに、ほとんど聞き取れない。分析してみると聞き取れなかった理由が浮かび上がってきた」という内容でした。
★「魔女の宅急便」の英単語
・インターネット上にアップされている英訳の台詞やDVDの英語字幕を参考に、翻訳ソフトも使って台詞をすべて書き出した。
・使われた英単語は全部で7672語。
・約70ページの児童向けの洋書ぐらい。
・「アナと雪の女王」は7646語。ほぼ同じ。
・使われた単語1174種類。
・約91%が中学生で習う単語。
・「頻出単語」 ①you(370回) ②the(203回) ③it(185回) ④to(184回) ⑤and(128回)
⑥that(119回) ⑦we(93回) ⑧me(92回) ⑧my(92回) ⑩be(85回)
・「頻出名詞」 ①kiki主人公の名前(66回) ②time(39回) ③witch魔女(30回)
④jiji猫の名前 (22回) ⑤delivery配達(20回) ⑤boy(20回) ⑦broomほうき(17回) ⑦madam奥様(17回) ⑨tombo仲良しの男の名前(15回) ⑨way方法(15回)
・「頻出動詞」 ①go(75回) ②get(62回) ③come(59回) ④fly(41回) ⑤look(37回)
⑥think(35回) ⑦know(30回) ⑧tell(28回) ⑧make(28回) ⑩see(27回)
★なぜ聞き取れないのか?
・英語は主語と述語が大事。theやitは頻出単語だが、重要な意味を持たないので、弱く発音されるから聞き取りにくい。
・「一字一句聞き取れないとダメだ」と必死に聞こうとして、気付けば話が進み、迷子になってしまった。
・よく使われる単語の上位20は中学1年で学ぶ。出てくる単語はほとんど知っていると自信をもって、英訳された台本をざっと読んだ後、2回目に挑戦すると、不思議なことに意味が分かるようになっていた。
・強く発音される単語を中心に拾っていく。
・わからない部分があってもかまわないと思いながら聞く。
★その他のアニメの中学で学ぶ単語の使用率
「千と千尋の神隠し」(約88%)、「アナと雪の女王」(約84%)、「アラジン」(約73%)、
「美女と野獣(実写版)」(約65%)
・中学校で学ぶ英単語(1600~1800語)、小学校(600~700語)を習うので、中学卒業時には少なくとも2200語になる。
・中学校まで学んだ英単語で、映画を英語で見ることもできる。
私も英語にコンプレックスを感じる1人です。英語と言えば英文解釈や英文法ばかりで、聞いてわかった喜びを経験したことがないです。英語教育の失敗ではないでしょうか?
ぜひ子どもたちには、こんな体験をたくさんさせてあげたいですね。
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