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No弐-528  デジタルスクリーン症候群

 「デジタルスクリーン症候群」という言葉をご存知ですか?

 今日の読売新聞朝刊からです。パソコンやスマホを見る時間(スクリーンタイム)が長過ぎると心身に様々な変調が現れることを「デジタルスクリーン症候群」と名付けた米国の精神科医、ビクトリア・ダンクリーさんの話が載っていたので、注目しました。

 

★デジタルスクリーンを見過ぎると

・神経が過度に刺激され、常に興奮し疲れた状態になる。

・いらいらしたり、注意力散漫になったりする。

・テレビ視聴よりもゲームなど双方向の時に顕著。

・脳科学的には、言葉や感情をつかさどる前頭葉への血流が減る。

・生理学的には、ストレスホルモンが増える。

・解決方法はスクリーン断ちで画面からの刺激を除去することに尽きる。

 

★11か国・地域で出版された著書の反響

・多くの国で子供たちのスクリーンの見過ぎが問題視され、コロナ禍以降は深刻化。

・米国では、ICT化が進んだ学校でも小学校高学年になるまでデジタル端末を持たせない学校もある。

・IT企業などが集まるシリコンバレーでは、住民がICTの弊害をよく知っているので、多くの親が我が子を「ハイテク」ではなく「ローテク」な学校に通わせている。

 

★日本のICT化

・スクリーンタイムが長くなると、肥満や睡眠障害が増え、成績が低下する。

・端末で学ぶと集中力も落ちる。

・日本も心身の健康や学習面の問題が増え、学校でのICT化のあり方を見直す必要がでてくるかもしれない。

 

★教科書のデジタル化 

・米国ではうまくいかず紙の教科書に戻した学校が多い。

・通信環境のトラブルや機械の故障の対応などで費用が高くなっている。

・内容も更新されず、多くが古いままで、必要な訂正が行われていない。

・紙の方がスクリーンより速く読め、理解が深まり定着も良いなど、紙の良さを示す研究はたくさんある。

 

★親の意識改革

・親はスクリーンが脳に与える影響について正しい知識を持つ。

・小さい頃からICTに触れなくても、我が子が人生で取り残されることはない。

・高校や大学に進学してから学べば十分に間に合う。

 

 英語やデジタルに強くないと将来が不安だと煽っていないでしょうか?

「知」ばかりが重視され、「徳」や「体」の育成がおろそかになってないでしょうか?

 私は、ビクトリアさんの考えに共感しました。

 子どもは、小学校の時にもっとやっておかなくてはいけないことって、たくさんあるはずですよね?