昨日の朝日新聞別冊「be」の「サザエさんをさがして」は「アベック」についてでした。
・「アベック」はもはや死語と言われる。
・「アベック」の語源は、フランス語の「avec」。「とともに」「一緒に」という意味。
・国内では「男女二人連れ」を示す言葉として大正時代から使われ始める。
・昭和の戦前はモガ(モダンガール)、モボ(モダンボーイ)の出現とともにハイカラなことばとして広まった。
・戦後、特に流行語になったが、連れ込み旅館を意味する「アベックホテル」などの出現によって、アベックはしゃれた言葉から、みだらなことを想像する、いやらしい言葉に堕落してしまった。(米川明彦名誉教授 梅花女子大・俗語に詳しい日本語学者)
・スポーツの世界では違う意味付けがなされた。
・1試合の中で同じ球団の2人の選手がホームランを打つことを指す「アベックホームラン」が代表例。
・有名なのは長嶋茂雄選手と王貞治選手のON砲。
・これは「男女」から「同僚」への言葉の意味が広がった結果。アベックをスター選手に使って読者の興味をひいたという意味でもうまいネーミング。(米川教授)
・「アベック」は単独として昭和の終わりごろから使われなくなった。
・いやらしい臭いがついた、マイナス効果の言葉は次世代につながっていかない。「ズロース」(下着)などと同じで、高齢者はともかく、若い人は使わない。(米川教授)
・かくして、言葉の交代が行われ、登場したのが英語の「カップル」。
・「アベック」と違って男女に限定しているわけではないので、多様な性のあり方が認められる今こそ適した言葉。
・しかし、スポーツの世界では同僚を示す「アベックホームラン」をはじめ、駅伝などで男女チームの同時優勝を示す「アベック優勝」はまだ使われている。
・「アベック優勝」は本来の意味である「~と一緒に」から「男女一緒」→「男女同時」に転義したもの。
・「アベック優勝」は「男女そろって優勝」などに言い換えが可能でやがて消えていくかもしれないが、「アベックホームラン」は特殊なスポーツ用語として言い換えがきかないので残るだろう。(米川教授)
死語で思い浮かぶのは、「社会の窓」「パーマ屋さん」「オカチメンコ」「ナウい」「なるへそ」「タンマ」「シミーズ」「ももひき」「えもんかけ」「チョッキ」「コールテン」「バタンキュー」「とっくりセーター」「ズボン」「ざまあ味噌漬け」「バタンキュー」「あたぼう」「おニュー」・・・なつかしいでしょ?他にもどんなのがありますか?
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