今年の夏の甲子園は、仙台育英高校が春夏通じて東北勢初の全国制覇をしました。
これまで全国のブロックで東北だけが優勝がなく、10回目の決勝進出で悲願を遂げました。
私は、スポーツは選手はもちろんですが、特に指導者に興味があります。
最近では、プロ野球の高津臣吾監督(No弐-214)、中嶋聡監督(No弐-215)、サッカーのオシム監督(No弐-406)、女子バスケの恩塚亨監督(No弐-426)。
高校野球では、同じ東北のメジャーリーガーの大谷選手、菊池選手らを輩出した花巻東高校の佐々木洋監督(No弐-237)の指導法に注目しました。
今回も仙台育英の須江航(わたる)監督の指導法、人柄、言葉が印象的だったのでブログに残しておこうと思いました。
★須江監督のエピソード
・埼玉県出身。県外で勝負しようと仙台育英に入ったが、ずっと控え選手。
・在学中に学生コーチに転向。リーダーシップが評価される。
・大学卒業後、系列の秀光中軟式野球部監督に就任(2006)。全国優勝(2014)。
・仙台育英部員の飲酒や喫煙が発覚。当時の監督が引責辞任し、急きょ、母校の監督に就任。
(2018年1月)
・すぐに大阪桐蔭の練習を外野の外から見学。その後、西谷監督に質問攻め。「指導で大切にされていることは」「チームづくりとは」
・打球は低いライナーと球速の速いゴロが多い。日本一の基準を知った。
・この打撃をまね、単打でつなぐ意識を徹底。
・盗塁やバントなどの小技、機動力を絡め、即時の攻撃スタイルを築き上げた。
・5試合で69安打・47得点。長打は16本。本塁打決勝の1本のみ。
・2018年夏の大会(第100回)で初戦大敗(0-9)。試合後の取材で、
「1000日以内に全校制覇する計画を立てて明日から練習します」
・1年目は走塁、2年目は打撃などとテーマを決めて鍛えた。
「どこよりも早く、新しいことをやらないと100年以上閉ざされた扉は開かない」
・継投を重視。145キロ超を投げる左右の5投手。「肩肘は消耗品だという感覚で育てる」
「球速や球種の違う投手を打者が慣れる前に起用できる」
・指導では「データ重視」、「全員野球」を掲げる。
・走塁やスイングスピードなどを細かく測定し、いまの実力や目標値を丁寧に説明。
・「誰にでもチャンスを与えたい」紅白戦を繰り返し。結果を持ちにメンバーを選ぶ。
・就任から4年半、1471日で公言実行。
★反響を呼んだインタビュー
・いまの高校3年生は入学直後から新型コロナに翻弄されていた世代。
どんな言葉をかけたいか、と聞かれると声が震えた。
「入学どころか、おそらく中学校の卒業式もできなくて。
僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです」
「青春って、すごく密なので。でも、そういうことは全部ダメだ、全部ダメだと言われて。活動してても、どこかでストップがかかってしまうような苦しい中で。
でも本当にあきらめないでやってくれた。
全国の高校生のみんなが本当にやってくれた」
「今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、あきらめないで暗い中でも走っていけた。
本当にすべての高校生の努力のたまもの。
ただ最後に僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います」
すばらしい挨拶だと思いませんか?言葉を読み返すたびに目頭が熱くなります。
子どもを伸ばすには、指導者の熱い思いと信念が必要ですね。
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