最近、こんな本を読みました。
「子どもの発達障害 子育てで大切なこと、やってはいけないこと」本田秀夫著(SB新書)
本田先生は、精神科医で信州大学医学部子どものこころの発達医学教室の教授です。
先生は、この書の中で発達障害の特性を「ASの特性」「ADHの特性」といった表現をしています。
「ASDやADHDの最後のDは障害を意味する英語Disorderの頭文字です。私は、発達障害の特性が必ずしも生活面の障害になるとは限らないと考えているので、特製を表現するときには「D=障害」を取り除いて「AS」「ADH」と書いています。」
とおっしゃています。私もこの考えには大賛成です。「障害」という言葉はできるだけ使いたくありません。
今日は、この本の中の「叱り方のヒント③『肯定文で言う練習』をしてみる」に注目してみました。
・大人は子どもを叱るとき、つい「ダメ!」と言ってしまいます。
「外へ出ちゃダメ」「そこはのぼっちゃダメ」などと言って、子どもを叱ります。
しかし、ASの特性がある子の場合、ただ「ダメ」と言われただけでは、「どうすればよいのか」がわからないことがあります。
別の機会にあらためて説明するのもよいのですが、親の側が「肯定文で言う練習」をしてみるのというのひとつの手です。
練習して、子どもにそのつど、適切な行動を説明できるようになると、叱らなくても済むことが増えていくでしょう。
それでは、皆さんも練習してみませんか?
★肯定文で言う練習 △に入るひらがなは?
①外へ出ちゃダメ → こっちへ△△△
②そこはのぼっちゃダメ → △△てね
③走らないで → △△△うね
④立たないで → △△っ△いてね
⑤のろのろしない → 早く△△△てね
⑥手を離さないで → 手を△△っ△て
⑦騒がないで → △△△な声で
⑧よそ見しないで → ○○のほうを△△
⑨今はそれをやらない → ○○から△△△か
⑩おしゃべりしない → お口は△△ッ△のままで (△はカタカナ)
⑪たたかないで → お口で△△△をして
⑫ダラダラやってないで → あと△△△△で終われそう?
⑬やっちゃダメ → 〇〇したほうが△っ△△△よ
⑭落とさないようにね → しっかり△っ△ね
⑮床に置かないで → △ー△△の上に置いてね (△はカタカナ)
⑯ものを投げないで → そっと△△っ△、△△△△置いてね
⑰そっちに近づかないで → ○○のところに△△
⑱忘れ物をしないようにね → 明日の△ゅ△△をしておこうね
台風通過中です。それでは、正解です。
★肯定文で言う練習
①外へ出ちゃダメ → こっちへおいで
②そこはのぼっちゃダメ → おりてね
③走らないで → 歩こうね
④立たないで → 座っていてね
⑤のろのろしない → 早く動いてね
⑥手を離さないで → 手を握ってて
⑦騒がないで → 小さな声で
⑧よそ見しないで → ○○のほうを見て
⑨今はそれをやらない → ○○からやろうか
⑩おしゃべりしない → お口はチャックのままで
⑪たたかないで → お口で話しをして
⑫ダラダラやってないで → あと何分で終われそう?
⑬やっちゃダメ → 〇〇したほうがかっこいいよ
⑭落とさないようにね → しっかり持ってね
⑮床に置かないで → テーブルの上に置いてね
⑯ものを投げないで → そっとしまって、やさしく置いてね
⑰そっちに近づかないで → ○○のところにいて
⑱忘れ物をしないようにね → 明日の準備をしておこうね
簡単なようで意外に難しいですよね。しかし、こういう言葉を意識して使っていくと、確かにイライラする機会が減りそうです。
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