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No弐-494 働き方改革(デジタル化)

  朝日新聞に連載されている「いま先生は」の記事が、7月31日(日)にありました。

 見出しは「デジタル化進まぬ学校」でした。

 

★東北地方の複数の公立校で支援をしている40代女性の声

・「何十年前の働き方なのか」

・教頭が毎朝、教育委員会などからくる大量メールの添付ファイルをプリントアウトし、先生の人数分コピーして机に置く。この作業だけで1時間。

・家庭へのアンケートを紙で配布・回収し、表計算ソフトに入力するのに3時間。

・「指導要録」を手書きし、1文字でも間違えれば最初から書き直す。

・文書ソフト「一太郎」と決まっており、外部と共有する際は「ワード」に変換して送付。

・やんわりと改善を提案したが、年配の教員から「これまでのやり方の方が早い」と一蹴。

 

★都内の公立中に勤める非常勤講師の50代女性の声

・昨年度からオンラインで始まった職員会議。教員用の情報端末は全員分なく、職員室から持ち出せないため、参加者のほぼ全員が職員室に集合。

・保護者との連絡手段は職員室から電話が原則。メールやLINEでのやり取りや、教員が自宅から携帯などで電話するのは認められていない。

 保護者の携帯に電話し、折り返し待ちのために遅くまで帰宅できない姿をよくみる。

 

★デジタルで働き方改革に成功した学校例

・千葉県の柏市の小学校では2020年度、卒業アルバムの写真選びにAIシステムを導入。

・「エグゼック」が開発したオンラインサービス。費用は児童1人当たり年間300円など。

・写真をアップすると、顔認識機能で児童がどの写真に何回写っているかを読み取り、集計。

・それまでは6年生の担任と保護者有志の数人が集まって全写真を確認し、手書きの表に「正」を書いてチェック。

・計10時間に上る大仕事だったが、導入後は半分ほどに。集まる必要もなくなった。

・改革の中心は教務主幹。保護者アンケートはアプリを使用、教職員の連絡を「チームズ」で簡略化。保護者へのお便りはデジタル配信サービスの導入など。

・6年担任の残業時間19年4~6月(3カ月)で300時間超。→21年同時期で150時間。半分に減少。

 

★妹尾昌俊さん(教育評論家)の話

・まずはやってみて、起こった問題に対処するという考え方が現場に必要。

・自治体は個人情報の扱いなど、デジタル移行の壁になるルールを緩和し、効果や弊害の有無を検証するべきだ。

 

 卒業アルバムのチェック懐かしいす。

 今回登場した2人の女性の声「先生には教材研究や授業の準備に時間を使ってほしい」

「学校では、新しいことをやるのに時間がかかる」に共感しました。

 変える勇気、捨てる勇気が必要なんです。楽しい授業をするための時間確保を。