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No弐-492 2022全国学力テスト結果1

 小6、中3を対象にした今年度の全国学力テストの結果が先月28日に公表された記事が29日(金)の各紙朝刊に載っていました。今日・明日2日に分けて紹介します。

 

 全国学力調査については、4年前No42(2018年8月7日)で取り上げました。

・都道府県別では、秋田県と石川県、福井県の好成績。

・世帯の年収が高いほど子どものテストの点数も高く、年収が低いほど子どもの学力も下がる傾向。(お茶の水女子大学の委託研究)

・家庭における読書活動が学力に最も強い影響力を及ぼすことが明らか。

・入札額は、小学校で22億7664万円、中学校で20億7360万円。

 

 昨年No弐-171・172(2021年9月14日・15日)でも取り上げました。

・国語は、文章と図表を結びつけ、必要な情報を取り出すことが課題。

・算数は、記述問題の正答率が低く、無回答率が高い傾向が見られ、データから必要な情報を読み取り、それに基づいて判断する力が課題。

・テレビゲームにかける1日当たり1時間以上は、小6(75.9%←55.1%)、中3(79.8%←58.5%)で、2017年より20ポイントほど上回り、一斉休校の影響もある。

・「学校に行くのは楽しい」は、小6(48.0%←54.0%)で13年以降初めて5割を切る。 友達と触れ合って遊ぶ機会が制限され、運動会など身近な目標が減ったことが一因。

 

★今年度の結果総括

・4年ぶりの理科は、新学習指導要領に基づいて初めて主題され、中学校は前回より平均正答率が大幅に下がり5割を切った。(16.8ポイント減)

 コロナ禍前に比べ、授業での観察、実験は減っている。理科授業で週1回以上観察や実験を行った小学校44.9%(16.2ポイント減)、中学校45.8%(18.8ポイント減)

 中学理科の急落は、予測を立てて観察や実験を行い、分析、考察する「探究」学習を意識した問題に生徒が対応できなかったとみる。(文科省)

・国語は、小中とも考えを書く問題が伸び悩んだ。

・算数・数学は、新学習指導要領で重点を置く「データ活用」が苦手な傾向にあった。

 

★都道府県別

 国語①秋田②石川、京都市③福井、東京、さいたま市 

 算数①石川②福井、東京、川崎市 理科①秋田②石川③福井

 今年も上位は変わりません。毎年大きな変動があるようでは心配です。

 中学でも石川県「国語①数学①理科①」、福井県「国語③数学②理科②」、秋田県「国語①数学⑥理科③」でした。

 沖縄は、小学校も中学校も各教科下位なのが気になります。

 大阪は、国語33位、算数15位、理科47位なので、算数に力を入れたのでしょう。

 

 ランキングは好ましいとは思いませんが、石川、福井、秋田にはきっと共通点があるはずです。それを早く分析して、広めてほしいです。