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No弐-483  たばこを「のむ」

 今日の朝日新聞別冊「be」の「サザエさんは探して」は、「たばこを『のむ』」でした。

 「たばこをのむ」という表現が懐かしくなったので取り上げようと思いました。

・漢字辞典には「喫」の音読みはキツ、訓読みは「喫む(のむ)」などとあるが、たばこは「吸う」が最近は一般的。

・実際、インターネット上には「『たばこをのむ』はどこの方言か」という質問が散見。

・たばこの「誤飲」と勘違いする人もいるかも知れない。

 

・1609年智仁親王が、京の老若男女に身分を問わずたばこが流行していることを記録に残している。

 「このごろ異国より渡れる薬あり」「その葉を焼いてその煙をすへり これをのめば病者もって(後略)」。「ここでも「すう」と「のむ」の両方が使われている。

 

・1809年大槻玄沢(蘭学者・医者)が出版したたばこの研究所「蔫六(えんろく)」の中では、「吸う」のほかに「のむ」も使われている。(たばこと塩の資料館)

 

★たばこの歴史

・タバコの原産地であるアメリカ大陸には、古くから喫煙文化があり、それが大航海時代以降、世界中に広まった。

・日本にたばこが本格的に広まったのは江戸時代以降。

・江戸幕府は、米作りがおろそかになること、風紀の乱れ、火の不始末などを懸念し、喫煙やタバコ耕作を幾度も禁止。

・特に飢饉の後で、幕府が取り締まる傾向もあった。(たばこと塩の資料館)

・嗜好品、産業としてのたばこの普及浸透は止まらず、幕府は黙認せざるを得なくなった。

 

・明治期になると煙草専売法が施行され、国が葉タバコの買い上げや製造販売を管理。

・戦後、日本専売公社が発足。

「ほっとした一ぷくが仕事の区切りをつけてくれます 生活の句読点」

「今日も元気だ たばこがうまい」

といったキャッチコピーとともに、身近な嗜好品として親しまれてきた。

 

・一方で、たばこの健康被害を問題視する論調も高まっていく。

・70年代からは「健康のため吸いすぎに注意しましょう」などと箱に表示。

・専売公社は85年に民営化され、日本たばこ産業(JT)に。

・2003年にWHO総会で「たばこ規制枠組み条約」が採択された前後からCMもマナー広告に置き換わっていった。

 

 400年も続いた日本の喫煙文化には、禁止、黙認、奨励された歴史があったんですね。