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No弐-480 都立高男女別定員の廃止

  7月20日。今日は1学期終業式の学校が多いかと思います。大変お疲れ様でした。

 今日は、7月17日(日)の読売新聞朝刊「ニュースの門」にあった都立高入試の男女別定員廃止を取り上げてみようと思います。

 「全国の公立高校で唯一残っていた東京都立校の『男女別定員制』が、ようやく廃止されることになった」のをご存知でしたか?

 私の出身校も男子250人、女子100人が定員で、8クラス中2クラスが男子クラスでした。しかし、一部の学校を除いて多くの学校は男女定員同数だと思っていました。

 

・都立の各高校では長年、全体の定員の枠内で、男女別の定員を設けてきた。

・募集時に公表し、ほとんどの学校で女子より男子を多く受け入れ、合格点は男子の方が低くなる傾向があった。

・2021年度入試では、定員がなければ合格していた生徒は約2万人の受験者中786人、女子が691人を占めた。

 

★定員制度の導入

・1946年に米国の教育使節団が、男子が学ぶ「旧制中学校」と、女子が通う「高等女学校」とに分かれていた公立学校の共学化を勧告。都教委も49年に踏み切った。

・戦前の女子教育は「良妻賢母」の育成を目指し、「家事」「裁縫」などに重きが置かれていたため、初年度、入試の点数で一律に合否をつけると、旧男子校に合格できた女子はわずか。(両国高2人、戸山高5人)

・女子の枠を確保することで、女子を多く受け入れるため、男女別の定員制がスタート。

・やがて男女の学力差が解消されていき、各地で次第に廃止されていった。

 

★東京都の実態

・1965年の都立(155校)と私立(259校)の高校数は計414校。

・私立は都立の1.7倍で、歴史あるミッション系中心の女子高113校に対し、男子は72校。

・1972年に都教委は私立の中高で作る団体との間で協議会を設置し、生徒数を調整。

・「女子は私立で多めに。その分、男子は公立で」のすみ分けが定着。

 

★定員制度廃止へ

・私立高の共学化(都内私立校の共学高3割(2000)が、5割(2019)を突破)

・都立高の数の増加(私立273校、都立186校)

・東京医科大などで男子優遇の入試が長年続けられていたことへの批判が噴出したことも、男女別定員制廃止へと動く。

・都立の各高校は今年2月の入試から、性別に関係なく点数だけで合否を判定する枠を一定割合設けた。

 

★無意識の偏見(アイコンシャス・バイアス)の一掃

・文科省が2021年度。教員向けにホームページで紹介を始めた事例

「体育祭の応援団長は男子で、チアリーダーは女子」

「掃除の時、ほうきで床をはくのは女子、重いものを運ぶのは男子」

・男女平等の実現には、幼い頃からの意識を育む必要がある。

・教員が無意識に男女の役割を決めつけていないかを考えるきっかけにしてもらうねらいがある。

・東京都の各地の教育委員会が教員向けの研修に乗り出す。

・札幌市の小学校では、授業で子どもたちにも教えている。

 

「無意識の偏見」はないか、ふりかえってみることは大切ですね。