先週7月9日(土)の朝日新聞朝刊別冊「be」の「サザエさんをさがして」は、「栄養ドリンクのCM」がテーマでした。皆さんは、栄養ドリンクというとどの商品が思いかびますか?記憶に残るCMもあるのではないでしょうか?
・60年代にはリポビタンD、オロナミンC、エスカップ、チオビタドリンクなどの栄養ドリンクが次々と発売された。
・昔の栄養ドリンクのCMは、がむしゃらに働く会社員や筋肉質の男性が登場して「頑張り」を強調するものが目立ったが、最近はあまり見かけない。
★リポビタンD
・62年発売の翌年から10年間、プロ野球・巨人の選手だった王貞治さんが起用された。
・王さんがスライディングする力強い映像とともに疲労回復の効能を訴えた。
・77年には、筋骨隆々の男性2人が大自然に立ち向かい「ファイト一発!」と叫ぶおなじみのシリーズが始まった。
・このシリーズは30年以上続いたが、今は放送されていない。
・「2000年代に入って働き方も変わり、多様化する時代の中、極限の疲労だけを描いても『自分が飲んでもいいんだ』と思ってもらえなくなってきた」(大正製薬担当者)
・16年以降は大谷翔平選手などを起用して、夢を持つ若者を応援する姿勢を打ち出した。
・昨年から起用する俳優の木村拓哉さんはCM内で「人それぞれ、色んなファイトがあっていい」と語る。
・「『色んな頑張り方がある』『無理して頑張らなくてもいい』というメッセージを込めた」(大正製薬担当者)
★オロナミンC
・65年発売で「元気ハツラツ!」のキャッチコピーを掲げ、コメディアンの大村崑さんや巨人の選手らを長く起用した。
・2004年には、女性や若者にも親しんでもらおうとイメージを刷新。俳優の上戸彩さん屋森七菜産などを起用してきた。
・「巨人のCMの時代は経済が成長しており、『元気に頑張ろう』というメッセージが共感を呼んだ。
その後、景気が後退し、スマホの普及で人々が個々の空間を持つようになる中で、『人とつながることで気持ちが元気になること』により価値を置くCMになった」(大塚製薬宣伝部課長)
★関根慎太郎さん(CM総合研究所代表)の話
・「ワークが価値観の中心だったのは90年代前半まで。
今はワーク・ライフ・バランスという言葉が盛んに使われ『どうやって自分らしく生きるか』が価値観のど真ん中に来つつある。
そうした変化が栄養ドリンクのCMにも顕著に表れている」
・90年代ごろまでは「24時間戦えますか」のキャッチフレーズで知られるリゲインのCMのような「企業戦士」の姿がたびたび登場した。
その後、働き疲れた人へのいたわりや癒しを描くようになり、近年はそれぞれの頑張り方を応援する内容に変化してきた。
・「最近はステレオタイプの価値観の押しつけに嫌悪感を抱く人が多い。
多様化する価値観に寄り添うことが、CM共感を得るためのポイントになっている」
栄養ドリンクの変化に気が付いていませんでした。「多様化する価値観に寄り添うこと」は教育の現場でも意識していくことが大切なんでしょうね。
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