7月10日(日)の朝日新聞朝刊に「新たな教員研修」の記事があったので、紹介します。現場の皆さんには、この情報はすでに届いていますか?
「教員免許更新制が今月1日に廃止され、来年度から始まる新たな研修制度の骨格が固まった」そうです。
・6月30日から30日間の意見募集(パブリックコメント)を経て、8月にも正式決定。
・各都道府県教育委員会は、これを踏まえて、それぞれ来年度から新たな研修制度をつくる。
★文科省が示した新たな研修の枠組み
・「教員に求められる資質」 障害のある子らへの対応、ICTや情報・教育データの利活用。
・校長は、教員が毎年度受けるべき講座について、年度初めや年度末の面談で奨励。
・受講した研修履歴は、教員ごとに記録される。
・「対象」 都道府県や市町村教委が実施する研修、校内研修など。
・「研修の成果の確認」 テストやリポートの作成、同僚との対話などを例示。
・「記録内容」 研修名、内容、主催者、時期、対面型かオンデマンド型かといった実施形態などの中から、都道府県教委が必須事項と、望ましい事項を定める。
・「記録範囲」 都道府県・政令指定都市教委の研修は必須。市町村教委や労働組合などの研修は都道府県教委で判断。
・「記録方法」 各都道府県教委で運用する情報システムや電子ファイルなど。文科省は2023年度中に全国統一の記録システムを稼働。
・「問題のある教員への対応」 法廷研修や、ICTなど必要性の高い研修を再三促されても受講しなければ職務命令でも受けさせる。従わなければ懲戒処分も。
・教員の間では、校長が研修を勧める形式は自主性を損ない、教員の管理につながりかねない点、履歴を記録する作業は負担増につながりかねないといった点に懸念も残る。
★識者の声
◎浜田博文教授(筑波大・日本教師教育学会長)
・「今回の制度は研修履歴を効率的に管理することが優先され、予算や時間の確保など研修の活性化の施策がなおざりにされている」
・記録対象を文科省や都道府県教委が示すことで、研修の多様性や自由度が失われる恐れがある。
◎荒瀬克己理事長(教職員支援機構・中央教育審議会副会長)
・「教育委員会や校長は時間と機会を確保して多様な学びを保証することが重要だ。研修の履歴はなるべく簡易なものにし、教員が自分と学校の課題を考え、子どもの教育に力を注げるように配慮すべきだ」
お2人の意見に賛同します。研修は子どもの前に立つ限り絶対に必要です。
しかし、研修は管理されるものでなく、学んだ学びをどう生かすかなんです。
多様な学びや視野を広げる学びが保証されなくてはいけません。
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