6月27日(月)神奈川新聞の「Oh! 追う!マイ・カナガワ」は「湘南弁『だべ』?」でした。
このコーナーでは、「No弐-441 厚木にないのに厚木基地」(6月11日)を取りあげました。
「県内の方言で『じゃん』は有名ですが、『だべ』はいつから使われ、どこまで広まっているのでしょうか?」という疑問を、逗子に住む女性がFMヨコハマ「ちょうどいいラジオ」を通じて神奈川新聞取材班に寄せたんだそうです。
・2年前、藤沢駅南口の「フジサワ名店ビル」に「自粛は闘いだべ。」と垂れ幕が下がっていた。インパクトが強かった分、反響は両極端で、「下品な言葉を使うな」と怒りの声も寄せられた。
★「だべ」のルーツ
・「だべ」の「べ」のルーツは「べき」「べから」など複数の形や意味を持つ助動詞「べし」にある。
・平安時代から次第に変化していき、「だべ」の形でも使われるようになった。(三井はるみ教授・国学院大)
★「だべ」流行のきっかけ
・湘南の「だべ」はヤンキー言葉として広く知られたことがある。ヤンキー漫画の名作「湘南暴走族」は作中で「だべ」が頻繁に使われ、映画化されるなど1980年代に人気を博した。
・主に少年らの仲間内で合言葉のように「だべ」は再生していった。
・だべは会話の中で「だべ?」と単独で出て来る特徴がある。(坂本薫さん)
・地元らしさを振る舞い、悪ぶりたい男の子に、最近はSNSの打ち言葉などで女の子も使うようになっている。(田中ゆかり教授・日本大)
★湘南弁?
・湘南弁といった区域は方言学的にはないが、湘南の〝方言コスプレ〟に「だべ」はピッタリ。(田中教授)
◎方言コスプレ(県内など首都圏の若者を中心に2000年代以降に、関西出身でなくてもそのイメージを使い「なんでやねん」などとキャラを演じる現象)
・方言は、テレビ普及率が9割を超えた70年代に共通語が急速に広まり、方言矯正の動きも相まって一気に衰退。
・東京や神奈川では共通語化の勢いが強く、横浜などの都市部では「だべ」も消失していく。
・「だべ」は神奈川特有の方言ではなく、80年代以降に「だべ」が再生される過程で、湘南弁のイメージが強まっていった。
・「だべ」は神奈川だけでなく、関東、東北地方まで定着していく。
・東日本の広範囲で今も、「だべ」の前身「だんべー」なども使われている。
★神奈川のその他の方言
・湯河原や真鶴では静岡方言「ら」がある。
・小田原などの西部では「らー」と「べー」が併用されている。
・鎌倉の腰越などの漁師言葉に「イェー、危ないぞ」。「イェー」は「オーイ」の意味。
・三浦半島では文末に「べーじぇん」を付けることがある。
方言はおもしろいだべ?
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