朝日新聞朝刊には「私たちはなぜ学ぶのか」が毎週水曜日に連載されています。
これから自分がどんな学びをしていくか、子どもたちにどんな学びをさせていくといいのかのヒントがあると思い、注目しています。
1回目(6月15日)は、日本文学研究者のロバート・キャンベルさんでした。さすが研究者らしく、自動翻訳が発達した時代に、あえて外国語や古典語を学ぶ「リアル」な魅力と学ぶことで自分の中で起こる変化を楽しむことが紹介されていました。
2回目は、No弐-452(6月22日)で、劇作家の平田オリザさんから、好奇心をくすぐる、他者と関わる豊かな学び合いを通して、「想像力」は培われ、「他者理解」ができるようになることを学びました。
3回目は、先週No弐-461(7月1日)で、NPO法人青少年自立支援センターの田中宝紀(いき)さんから、経験後に学ぶことでさらに視野が広がり、社会とつながることを学びました。
今日4回目は、「トルストイから開けた世界」ということでロシア文学者の上田洋子さんでした。
★ロシア文学と出会ったきっかけ
・小さい頃から母に連れられて宝塚歌劇を観劇。
・ソ連が崩壊して冷戦が終わろうとしていた時期でもあった当時の宝塚は、よく反戦や平和をテーマにしており、ロシアがモチーフになった骨太の作品やショーがある。
・1988年に「戦争と平和」が上演され、高校1年の時、トルストイの原作を読んだ。
・自分が求めていた価値観を見つけた気がした。「ロシア語をやりたい」とぴんときた。
・ロシア文学作品は、世界を一面的に描かず、「複雑なまま、いかに出すか」に取り組んでいると感じる。
★学ぶことの意義
・何より「自分に見えないことがあると知ること」
・ネットはアルゴリズムに左右されているので、自分が思っていることしか出てこない。
・アンテナを張って学ばないと「自分がこう思いたい」情報しか手に入らず、世界観が狭くなってしまう。
・違う意見を持っている人が見えなくなると、許容度がどんどんなくなっていく。
・普段は行かないところに行ったり、外の世界に出て他者の意見に触れたりすると、人生が広がる。
・ロシアの侵攻だけでなく、コロナの流行もあって閉塞感のある社会だからこそ「寛容である」「物事を広くみる」という力はとても大事だと思う。
視野を広げる姿勢は子どもたちにもきっと刺激になるはずです。
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