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No弐-452 想像力を育てる学び

 今日の朝日新聞朝刊に連載されている「私たちはなぜ学ぶのか」は、劇作家の平田オリザさんが語っています。

 平田さんは、「不透明な時代だからこそ、必要になるのは『想像力を育てる学び』だ」と語っているのが印象に残り、共感したので、「大事」と語っていることに注目してみます。

 

★平田オリザさん(Wikipediaより)

・1962年東京目黒区駒場生まれ。平田オリザは本名。

・劇作家、演出家、劇団「青年団」主宰、兵庫県立芸術文化観光専門職大学学長(初代)。

・中学1年のときに学芸会の劇を初めて演出し、その時の主演が後のデーモン閣下。

・都立駒場高校定時制に進学。高校2年のときに高校を休学(のち中退)し、自転車による世界一周旅行を決行。その後世界26か国を放浪し、1981年に旅行記を出版。

・大学入学資格検定試験を経て1982年国際基督教大学に入学。同年に処女作を執筆。翌年に劇団青年団を結成。

・戯曲の代表作に『東京ノート』『ソウル市民』三部作など。

・小説『幕が上がる』は2015年に映画化。

・現代口語演劇理論の提唱者であり、自然な会話とやりとりで進行していく「静かな演劇」の作劇術を定着させた。

 

・私たち日本人は普段話すとき、ほとんど強弱アクセントを使いません。その代わり、強調したい言葉を前に持ってきて、繰り返すという特徴がある。

・もう一つは、日本語は名詞の繰り返しをいといません。

「そのさおを立てろ」の「さお」を強調したいときは「さお、さお。さお、そのさお立てて」と言えばいい。

 

「大事①」 科学者を主人公にした戯曲を書く場合、科学者が書いたエッセーなどをたくさん読むようにし、彼らの思考様式や物の見方を体に落とし込んで、科学者がどのように物事を考えるか「想像する力」が大事。

 

「大事②」 演劇教育でも伸ばしたいのは「他者を理解する力」。他者を演じることで、異なる価値観や文化的な背景を持った人に対する理解を広げていくことが大事。

 

「大事③」 インターネットで情報が集めやすくなり、どんどん思考のサイクルも短くなってしまうので、「長編小説をゆっくり読む時間」が大事。

 

「大事④」 人生100年時代。「学び直し」で大事になるのは、「客観的に物事を捉える力」。

 本当の意味での科学的知見。過去の価値観にとらわれない。「自分は何を知らないか」から出発する謙虚さ。

 

「大事⑤」 できれば独りで学ぶのではなく、「他者との交流の中で学ぶ」。

 「常に社会とのかかわりを持つような学び」が、特に中高年には必要。

 

「重要⑥」 「学び」は教えられるのではなく、好奇心に応じてやりたいことを伸ばしていくことが重要。

 

「大事⑦」 リビングに世界地図を貼って、「ウクライナってどんな国なんだろう」みたいなことを親子で会話する環境の方が大事。

 

 好奇心をくすぐり、豊かな学び合いを通して、「想像力」は培われルコとで、「他者理解」ができるようになっていくと信じます。そんな学級や学校こそが注目されてほしいです。