朝日新聞では、土曜日に「変わる進学」を連載しています。6月11日は、小学校受験に注目していました。
★志願者数の増加
◎首都圏(1都3県)の私立小63校の調査(バレクセル)
・22年度入試の合計志願者数は、のべ24287人(6%増)、18年度のべ18965人(22%増)
さらに、「首都圏を中心に、子どもに小学校受験をさせる共働き家庭が増えている」のをご存知でしたか?
★小針誠教授(青山学院大・教育社会学)の分析
・昨年、首都圏の国私立小の受験を予定する保護者(645世帯)に調査。
◎母親が「無職」(専業主婦を含む)の割合 75.8%(2000)→28.8%(2021) 47%減少
◎受験する理由
・「学区内の公立小中学校に悪評や問題がある」69.7%(2000)→32.1%(2021)
「00年ごろは、ゆとり教育などで公立へのネガティブな印象が小学校受験への誘因になっていたが、いまは公立への不信は低下している。」
・「その後の中・高・大学入試に有利」約5P増、
・「附属・系列上級学校への優先入学」約15P増
「進学や学歴へのこだわりは強まっていて、一定のコースに早くのせ、安定させたいという思いがあるのではないか」
★各社のニーズへの対応
◎伸芽会
・「小学校受験をめざす共働き世帯が増え、受験対策もする長時間託児へのニーズを感じていた」 利用者は年々増えている。
・「共働きの保護者の増加とともに、少子化で祖父母が孫1人にかけられる金額も多くなり、子どもの教育に先行投資する家庭はもっと増えるはずだ」(同社教育研究所長)
◎スイング幼児教室
・開校当初から土日に教室を開催。現在は、半数以上が共働き。
・最近では父親が教室に付き添う家庭も大幅に増えている。
◎バレクセル
・「最近は、学校のブランドより実を取る傾向が強い」
・給食や放課後の預かり体制が充実していたり、中学受験しやすい環境づくりをしていたりする学校が人気。
・「コロナ禍で公立よりICT化が進んでいた私立小学校に関心が高まった側面がある」
・あと数年は私立小の志願者が増えるとみるが、「公立もICT化などを頑張ってきている。今後は、もうちょっと私立小を見る目は厳しくなる」(同社代表)
ニーズやコスパに振り回されることなく、ぶれない教育の信念をもちたいですね。
公立、私立で問われることなく、ぜひ知識だけでなく、学び合う中でこの時期にしか育たない目に見えない能力や将来に役立つ基盤となる力を伸ばしていきたいです。
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