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No弐-443 体育座り

 6月11日(土)神奈川新聞の「パートナー紙から」は、「山陰中央新報」が「体育座り」について取り上げていました。

★体育座り

・体育の授業や集会でおなじみの「体育座り」。「三角座り」「お山座り」とも呼ばれる。

 「体操座り」「体育館座り」という呼び方もある。

・体育座りは、曲げた両膝を両手で抱えるようにして座る。

・実は、世界でも日本でしか見られない珍しい座り方。

 

★体育座りの歴史と背景

・1965年に文部省が、学習指導要領の解説書として発行した「集団行動指導の手引き」で「腰をおろして休む姿勢」として写真付きで示されてから広まった。

・背景は、朝礼等や集会時の貧血による転倒を防ぐことができる。

 安定していて、場所を取らず狭いスペースに多人数が座ることができる。

 両手を組んで座るため手遊びが無くなる。「行儀がよい姿勢」という印象が浸透。

 

★悪影響

・内臓を圧迫し、座骨の痛みが出るなど体には悪影響が多いという指摘がある。

◎増田一太さん(理学療法士)の調査(対象・関西地方の小学5年~高校3年939人、2014)

・腰痛(12.7%)そのうち座った時の痛み(66.4%)、そのうち体育座りの痛み(52.3%)

・「教育の場で話を聞くことより、姿勢を維持することに焦点が置かれすぎている」

 

★体育座りを改めた例

◎山口県下関市の中学

・昨春、集会での体育すわりを改め、パイプ椅子を導入。

・集会時は生徒が自分の椅子を出し、終わればしまう。

・準備には5分ほどかかるが、会が1時間を超えても落ち着いて参加できるようになった。

・「当たり前とされてきた体育座りは生徒に苦痛を強いてきた。考え方の転換が必要だった」(校長)

 

・「体育座りは、際立って『日本的』な指導で子どもの人権を保障しているとはいえない」(一盛真教授・大東文化大、教育学)

・座りぐらい自由にさせてもいいのではないか。

 こういう意見に皆さんならどう答えますか?年を取って、腰を痛めたり、太ってみると体育座りはつらいですが、「行儀」を学ぶ経験も必要に感じます。姿勢の美しさってあるんです。集団行動も、基本としてしっかり身につけてほしいです。

 ただ個への配慮や目的、時間を考えないと、苦痛になり、人権問題にまで発展してしまいますから、気をつけたいですね。