朝日新聞朝刊に「コミュニケーション新時代」が4回(4月10日、25日、5月8日、23日)連載されました。
私は、第4回(5月23日)の記事が印象に残りました。「安心してモノ言える職場に」という見出しが目に留まりました。ギクッ!皆さんの職場は、「安心してモノが言える職場」ですか?
「個性を生かし、チームの力を発揮する土台になり得る概念として『心理的安全性』が注目を集めている」そうですが、ご存知でしたか?
★心理的安全性(psychological safety)
・組織の中で対人関係のリスクにおびえることなく、意見や質問、違和感を気兼ねなく口にし、話し合える状態を指す。
★職場に心理的安全性はありますか?(2021、8948人回答、エコジャパン)
・ある(12%) ・どちらかといえばある(33%) 計45%
・どちらかと言えばない(34%) ・ない(21%) 計55%
★職場で心理的安全性を感じる理由
・たわいのない雑談ができる(75%) ・出社してリアルで会う機会がある(34%)
・心身の状態を配慮し合える(28%) ・人格や発言をむげに否定されない(27%)
・指摘やネガティブなことを言い合える(22%) ・弱音をさらけ出せる(17%)
★心理的安全性の土台となる4因子
・石井遼介さん(データサイエンティスト、起業家)は日本企業で働く6000人の意識を調べ、日本の組織に求められる心理的安全性の土台としての4因子を見出した。
①話しやすさ 「何を言っても大丈夫」
②助け合い 「困ったときはおたがいさま」
③挑戦 「とりあえずやってみよう」
④新奇歓迎 「異能、どんとこい」
この4つって、学校、学級にも求められますよね。自ら言葉を発してみることで、どんどん奨励してみましょう。
・ミスや失敗を報告したら叱るのではなく、報告自体を歓迎できるか?
失敗を責めずに建設的な解決策を出し合えるか? 管理職の役割は大きい。
これは学級に置き換えることもできます。教師の役割は大きいですよね?
いい教育をする土台には、いい職員室が必要です。働き方改革を含め、心理的安全性を作るには管理職の能力、役割は大きいですよね?
「心理的安全性」に興味を持ったので、さらにネット(リクルートマネジメントソリューションズの「人材育成・研修・マネジメント用語集」)から調べてみました。
・「心理的安全性」とは、組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語。
・2016年にGoogleが「心理的安全性の高いチームのメンバーは、離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイディアをうまく利用でき、収益性が高く、マネジャーから評価される機会が2倍多い」との研究結果を発表したことから、一気に注目を集めるようになった。
・心理的安全性が低くなる原因として、4つの不安がある。
★「4つの心理的安全性を損なう要因と特徴行動」(エドモンドソン)
①無知だと思われる不安(質問しづらくなる)
②無能だと思われる不安(自分の失敗や弱点を認めなくなる、ミスを報告しなくなる。)
③邪魔をしていると思われる不安(提案や発言をしなくなる。)
④ネガティブだと思われる不安(批判をしなくなる、意見があっても言わなくなる。)
・心理的安全性がもたらすメリット
①パフォーマンスが向上し、業績や成果につながる。
②コミュニケーションが活発になる。
③エンゲージメントが高まる。
・チームの心理的安全性を高める5つの方法
①心理的安全性を体験できる仕組みをつくる。
②特定の人に偏らず発言できるようにする。
③何のために発言するのか共通した価値観を持つ。
④アサーティブ・コミュニケーションを心掛ける。
(アサーティブ・コミュニケーションとは、相手を尊重しながら対等に自分の要望や感情を伝えるコミュニケーション方法。アサーティブネスやアサーションとも呼ばれる。)
⑤飲み会や食事会を実施する。
コロナ感染への心配から、そろそろ心理的安全性を回復していきましょう。
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