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No弐-436 「すみません」より「ありがとう」

 月曜の雨は、テンション下がりますね。お疲れ様です。

 カレンダーを見ると、今日は6月6日。あれっ?と思い、昨年のブログ(No弐-71)を調べると、やっぱり6月6日のことに触れていました。3年前(No375)も話題にしました。

 今日は、「梅の日」でしたね。室町時代、神のお告げで天皇が梅を奉納するとたちまち大雨が降り、五穀豊穣をもたらし、この天恵の雨を、「梅雨」と呼ぶようになり、縁起のいい雨とされているという話でした。梅雨の始まりに「授業のまくら」にいかがでしょう。

 

 また、古来より日本では、「芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」との伝承があったことから「いけばな日」「楽器の日」「邦楽の日」などがありました。数字が3つ以上続くと縁起がいい気がしてきますよね。何かを始めた1年生はいるかしら?

 

 「6」という形からは何がイメージできますか?

らっきょう、さくらんぼ、羊の角、補聴器、ロールケーキ… 私は、クローゼット用の防虫剤に見えました。

 

 読み方や発音から、ケロ(6)ケロ(6)で? ム(6)カム(6)カで?

「かえるの日」、「アンガーマネジメントの日」なんていうのがありましたが、ちょっと強引ですよね。

 

 さて今日は、先週6月3日(金)朝日新聞朝刊「論の芽」の「『すみません』より『ありがとう』にしませんか」の記事が目に留まりました。

 哀川充名誉教授(東京学芸大)の話を抜粋してみたいと思います。

 

・他人から何かしてもらうと、ありがたいとか申し訳ないなど、何らかの気持ちがわき起こる。

・大きく分けて二つの要素が、相手への気持ちを決めると心理学では考えられている。

 一つ目は、「うれしい」とか「助かった」とか思うことで表されるような、自分の得た利益の大きさ。

 二つ目は、相手が自分のために費やした時間や労力、金銭などの負担の大きさ。

・二つの要素の大きさの合計が「相手への気持ちの大きさ」になる。

・心理学の研究では、これは世界の主要国で同じだと確認されている。

 

・「自分の利益」と「相手への負担」のどちらを重視するかは、国や文化により異なる。

 欧米では、「自分の利益」が重視、日本では「相手の負担」が重視されていた。

 

・個人主義ではなく集団主義の日本では、まず集団があって自分がいるので互いに自分を譲って相手を立てる。

・そんな相手に何かしてもらえば「大変な思いをさせてしまった」という気持ちが先に来る。

・だから日本人は、こうした場面で「すみません」「申し訳ありません」と、謝罪の言葉で対応することが多い。

 

・感謝を示すのに、「すみません」を繰り返していると、「相手に迷惑ばかりかけている」という気持ちが募り、心の重荷が増えていく。

・感謝したい場面では「ありがとう」を言いませんか。

「ありがとう」という感情を相手に伝えることで、満足感や自尊心が高まることも分かっている。

・感謝を伝えるのは本来ポジティブな場面。

・「すみません」とネガティブに自分を下げず、「ありがとう」と言ってポジティブを体験することが大事。

・行動を習慣化すると、いずれその行動が人格に影響を与える。

・そうした心理学の考え方の実践で、心の負担を減らせ、周囲にも自分の心にも変化があるはず。

 

 今日「ありがとう」を何回言ったかしら?「行動の習慣化」で当たり前のように教室に「ありがとう」があふれたらステキですよね。