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No弐-434 落語を学ぶピアニスト

 今日は、5月1日(日)のスポーツニッポン「あの人のモチベーション 夢中論」からピアニストの清塚信也さんの記事を紹介します。

「年間100本以上の演奏活動を行い、バラエティー番組にも引っ張りだこの清塚信也(39)は、落語でトーク力を磨いている」というのをご存知でしたか?

 

★約20年前の落語との出会い

・5歳から母の影響でクラシックピアノの英才教育が始まった。

・10代に入るとコンクールに出場しながら、コンサート活動も並行。その中で淡々としたMCでは面白くないと思うようになった。

・高校生の時からコンサートのトークに笑いを取り入れるために施行錯誤した。

 しかし、格式の高さを重んじることも多いクラシック業界。笑いを取ることは下品と猛反対された。「戦いの日々」の中、話がうまくなりたい一心で18歳から落語を聞き始める。

 

★桂枝雀

・好きなのは桂枝雀師匠。笑いに懸けた生き様、表現者として尊敬している。  

・80年代に一世風靡し、〝上方落語の爆笑王〟と呼ばれた。オーバーアクションの型破りの芸風でありながら緻密に計算された笑いの理論「緊張の緩和」を唱えてきた。

・真面目に笑いを科学する姿に心打たれ、ずっと聞いている。

・ダウンタウンの松本人志さんも寝る前に繰り返し聞き続けているという希代の落語家で、その影響で聞き始めた。

 

・数ある噺の中で、最も聞いているのが「まんじゅうこわい」。

・構成も含めて全てが完璧。どこに熱を込めて、どのタイミングで引くとか、トークのさじ加減の勉強になっている。

 

★クラシックと落語

・クラシックと落語は似ている。特に共通しているのは、

観客が演目の中身を最初から最後まで知っている状態で、高座を聞きに来るが、ピアニストも噺家も、音色や話し方の表現などを工夫して徴収に届ける。

 

・高座に通い、CDを聞き、関連書籍も熟読。

・地方公演などで5時間以上に移動も多いが、どんな時も落語が流れている。

落語を聞きながら楽譜を読むと、はかどり具合は約7割。途中笑ったり、巻き戻して聞いたりして残り3割は落語に引っ張られている。

 

・ステージMCでは土地ネタを用いた〝マクラ〟のほか〝フリオチ〟を効かせた曲紹介で観客を引き込む。

★「エリーゼのために」(ベートーベン)の紹介

・「ベートーベンが愛する人のために作った曲で、本人の死後に発表。つまり勝手にラブレターを公開されているのと同じ。

 皆さんにとっては死後にLINEを見られるようなもので、男としては地獄のような話」

時代背景や作曲理由に笑いを交えることで、音楽への理解をより深めている。

 

 清塚さんは、「笑いが起き、拍手が起こるコンサートできる粋なピアニストになりたい」とおっしゃっています。

 これを読んで「笑いが起き、拍手が起こる授業ができる粋な先生」になってみたくなりませんか?

 ぜひ、落語を聞いてみてください。ぜひこどもに体験させてみてください。おススメです。