今日も読売新聞朝刊「コロナ警告」第2部「ゆらぐ対人関係」からです。
今日は、第3回(6月1日)の「若者の悩み」を紹介します。
★孤独・孤立に関する初の全国調査
・「孤独を感じることがある」(36%)
20歳代(44%)、30歳代(42%)、60~70歳代(3割前後)
★石田三規教授(早稲田大)の話
・若い人の割合が高いのは剥奪感が大きいから。若者はコロナ禍で勉強や恋愛などの自由が奪われたとの意識が強かった。
・コロナ禍では、人との接触が「不要不急」とされたことで、自分にとって必要な人間関係は何かをチェックする「人間関係の棚卸し」が行われた。
・人と直接会うには、それに見合った「価値」を求める傾向が強まり、特にオンライン文化に慣れ親しんだ若者に顕著。
・知識や経済力、容姿といった「資源」を持っているとつながりやすく、ない人は関係をうまく作れなくなった。
・人間関係をコストパフォーマンスで見る傾向はコロナ収束後もすぐに戻ることはないだろう。
★男子学生(大学2年)の例
・4月中旬、数カ月ぶりの大学の対面授業に朝から緊張。講義室に入った途端、周囲の楽しそうな声に呼吸が苦しくなり、翌日以降通学できなくなった。
・入学当初は友人と食事に行ったり、イベント企画のサークルに入ったりと順調だった。
・コロナ感染拡大で昨年夏前から徐々にオンライン授業に切り替わった。
・東証は友人とLINEで連絡を取り合ったが、同級生と行き違いがあって、友だち付き合い自体が嫌になってしまった。
★学生の相談の変化
・大学の学生相談室でもコロナ禍で、心身の不調を訴える相談が増えているが、その内容は様変わりしている。
・オンライン授業が多かった昨年度までは「同級生と会えなくて孤独を感じる」との相談が目立った。
・対面授業が中心の今年度は、「授業に行くのが怖い」「緊張で眠れない」と人と顔を会わせることへの不安を訴える声が多い。
★宮本みち子名誉教授(放送台・家族社会学)の話
・兄弟や親戚が少ない環境で育った今の若い人たちは、人とのつながりを作る力が弱く、一度途切れた関係を戻すのが苦手な子が少なくない。
★SODA(若者支援センター・足立区)
・SODAでは、精神科医らのチームが若者たちの多様な悩みに無料で対応し、医療や福祉、教育などの専門家につなげている。
・SODAでは年間300件以上の相談に乗っているが、これ以上の受け入れは難しく、若者が気軽に相談できる居場所作りが今、求められている。
「人間関係の棚卸し」「人間関係のパストフォーマンス」という言葉にギクッとしました。
コミュニケーション力、「つながる」大切さをあらためて実感しました。
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