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No弐-424 AIが担う最適な介護

 昨日は、「AIの提案」を取り上げましたが、AIが介護の現場でも活躍する時代が来るという記事があったのを思い出しました。

 そこで今日は、2月15日読売新聞「ニュースの門」の「最適な介護、AIが担う?」を紹介します。

 

★AI導入の機運が高まる背景

◎介護費用の膨張  

・介護費用の総額は、推計10.7兆円(2020)→25.8兆円(2040)

・AIが導き出した、その人に最適な運動や食事を続けることによって身体機能を緩やかにできれば、介護費用の増加のペースを抑えられるとの期待がある。

◎深刻な人手不足

・高齢者の増加を背景に、推計32万不足(2025)→69万人不足(2040)

・科学的介護で業務の効率化を進めれば、より少ない人数でも質を落とさずにケアを続けられる可能性が出てくる。

 

★介護の棋譜化

・将棋界の最年少五冠を達成した藤井聡太竜王は、AIを駆使したて研鑽で知られている。

・AIは積み上げられてきた対局データ「棋譜」を学習し、最善の一手を素早く発見する。

・科学的介護の研究者らが取り組みを説明する際、将棋や囲碁の世界のこうした動きになぞらえて使っている。

・要介護者の身体機能や食事の状態、リハビリと言った膨大なデータを蓄積し、AIなどを活用して一人一人に最適なケアを探る手法が似ている。

 

★介護データベース「LIFE(ライフ)=科学的介護情報システム」

・厚生労働省は2021年度から「LIFE」を稼働させた。科学的介護元年。

・「LIFE」は要介護者の歩行距離や、認知症の程度などのデータを、個人が特定できないように匿名化した上で、全国の介護サービス事業者から収集、分析する仕組み。

・どんなケアにどの程度の効果があったかなど、分析結果を介護の質の向上に役立てるのはねらい。

 

★事業所、大学、民間企業の取り組み

・介護の達人の技を数値化。AIで極意を分析。

「拡張現実」の空間で、誰もが効率的に技を身に付けられるシステムを開発。

・AIを活用した高齢者の歩行を解析するアプリの開発。

 歩く速度、リズムなどを分析し、高齢者の転倒を防ぐ。

・デイサービスの利用者に、握力の数値、食べ物ののみ込みをタブレット端末上で質問。

 低栄養状態に人を見つける。

・ケアプランをAIで作成。

 

★竹林洋一特任教授(静岡大学・ケア情報学)の話

・実は介護とAIは相性がいい。

・介護では高齢者の気持ちを理解する必要があるが、AIは多様な個性を持つ認知症の人の声、表情、行動を計算処理することで、複雑な心の状態をより深く理解し、介護を視覚化できる。

・認知症の人とその家族、専門職の思いを含めたケアに関する知識や情報をみんなで学び、充実させることで、データに基づいたケアを高度化できる。

 

 AIは確かに魅力的ですが、あえて逆らってみたくなります。私だけ?