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No弐-420 高校野球と丸刈り

  5月17日(火)の朝日新聞朝刊「スポーツ」欄の「丸刈りにする?チェンジする?」が目に留まりました。何のことかお分かりですよね?高校野球の頭髪についてです。

★高校野球実態調査(2018)

・「丸刈り」76.8%(13年調査より2.6%減)

・「スポーツ刈りも可」8.9%(同0.7%減)

・「特に決めておらず、長髪も可」14.2%(同3.3%増)

 

★脱丸刈り派

・一律丸刈りをやめたのは2018年。翌年、米国を訪れた際、痛烈に感じたのは多様性と時代の変化だ。丸刈りの選手はほぼいない。ノックを終えた選手が指導者と「ヘイ!」とハイタッチをする。指導者の体罰が問題になっている日本との違いを感じた。

「2列に並んで足をそろえてランニングすることに意味はあるのかなど、当たり前だと思っていたことについて『なぜ?』と考えるきっかけになった」

「高校時代の良い伝統やしつけなど、残すべきものもきちんとある。ただそこにあぐらをかいて時代の変化に乗り遅れてはいけないと思います」(花巻東・佐々木監督46)

 

・報徳学園の監督に就任して1年足らずの1995年1月、阪神大震災が起きた。

 約1か月後、ようやく練習を再開したとき、キャッチボールする選手たちの笑顔が忘れられない。ときには厳しさは必要。だが、何より野球は楽しんでこそ。

「髪型なんか、関係ないやんか。さわやかやったら、ええやんか」(日大三島・永田監督58)

 

★丸刈り派

・「髪型を自由にしたら私生活でルールを守れるかなという余計な心配が出てくる。そういうのが守れるなら、全然かまへん」(東洋大姫路・岡田監督60)

 

・「制服と同じで丸刈りによる規律を保てていると言う声がある。衛生面を考えても清潔感を保てる」「自由にしてどんな髪型をするのか見てみたいという思いもある。髪型は個性が出るので、選手起用において重要なポイントになると思う」(近江・多賀監督62)

 

・「強制というより伝統になっている。長髪を認めても、うちは寮生活なので部員は髪を切りに行く時間がなかなかない。今はバリカンでそれぞれに刈っている」(日大三・小倉監督65)

 

・高校時代は長髪が認められていたが、甲子園で敗れて、引き揚げる時のヤジがいまも心に刺さる。

「高校野球には、まだ『様式美』的なものが求められているのだと思います」

「日本一になるとか、そういうことが達成されれば、新しい価値観を発信していけるタイミングじゃないかなと思っています」(仙台育英・須江監督39)

 

★森克己教授(鹿屋体育大・スポーツ法学)の話

・日本では野球を武士道のように心身を鍛える修練の場とする思想があり、他競技よりも「和を乱してはいけない」と言う意識が強い。

・本来は好きな髪型が認められるべきだが、高校野球の場合、マスコミによって、丸刈りはさわやか、すがすがしいといったイメージがつくられ、定着してきた側面もある。

・指導者にも選手にも「高校野球=丸刈り」がいまも守るべき規範となっており、「丸刈りが当たり前」という考えに拘束されているからだと考えられる。

 

 皆さんは、どちら派ですか? 今日のLINE&Zoomでもご意見聞かせてください。