· 

No弐-406 オシムさんを偲んで1

 5月1日にサッカー元日本代表監督のイビチャ・オシムさん(80)が亡くなられました。関係者、元代表選手からたくさんの悼む声が届けられました。なんて偉大な監督だったんでしょう。  

 オシムさんの言葉の中から子どもたちに伝えることはできないかで、何か教育や仕事に生かせないかと考えました。長くなってしまったので、2日に分けて紹介します。

 

★オシムさんの略歴

・1941年5月6日生まれ。ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)・サラエボ出身。

・旧ユーゴ代表として64年東京五輪に出場。

・旧ユーゴ代表監督として90年W杯(イタリア大会)で8強入り。

・92年内戦に抗議して代表監督辞任。

・03年市原(現J2千葉)監督就任、05年ナビスコ杯優勝。

・06年W杯(ドイツ大会)終了後、日本代表監督就任。

・07年11月脳梗塞で倒れて退任。

 

★オシム語録(読売新聞5月3日)

・けが人続出で「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に肉離れしますか。準備が足りない」

・「休みから学ぶものはない。選手は練習と試合から学んでいくものだ」

・「人生は100年も続かない。選手のキャリアなど短いものだ。その短い選手生命の中で、何か歴史に残ることをしよう」

・「走りすぎても死なない」

・「タイトルに満足しないことが重要だ。もし満足してしまうようなら、逆に勝たない方が良かったかもしれない」

・「代表チームを日本化しないといけない。初心に帰って日本らしいサッカーを。具体的には素晴らしい敏しょう性と積極性。そして個々の技術だ」(日本代表監督就任会見で)

・「ピッチにはチャンスがあり、希望もある。失敗する理由を探すのではなく、どれほど強い相手に対しても、自分を信じ、精いっぱいチャレンジすることだ」

 

★金子達人氏(スポーツライター)の「悼む」から(スポーツ・ニッポン5月3日)

・彼が日本にやってきた多くの外国人監督と違っていたのは、その根本的な姿勢だった。

オシムは最初から、日本人とともに日本人にとっての最適解を探そうとした。

・彼は戦術家でも戦略家でもなく、哲学者だった。

・木を見て森を見ず、という言葉があるが、彼は、木を見て森も見た人だった。

 圧倒的な高みから森を眺め、それでいながら木にも目を配ることができた人だった。

 

 私たちも少しでも「木を見て森も見れる」ように心がけていきたいですね。