朝日新聞終末別冊版「be」に連載している飯間浩明さんの「私のB級言葉図鑑」からです。今回は先月4月2日から4月30日の5回分です。
①「PURIKURA」 ローマ字がスタンダード(4月2日)
原宿で見かけたプリクラ店に<都内最大 PURIKURA>の看板を見かけたそうです。
・「プリクラ」って元は英語でしょう。ローマ字でも書けるのかな。
・顔写真を小さいシールにできるプリクラは、「プリント倶楽部」の略語です。
・和英辞典を見ると、photo stickerと言う訳語が出ています。
・日本のプリクラは「カワイイ文化」の代表として海外でも知られ、PURIKURAの検索される割合が多いのです。
②「ブュッフェ」 どう発音すればいいのか(4月9日)
ランチタイムでカレー店の外に「ブュッフェ」と言う表示があったそうです。
・ひとつのお皿に複数のカレーソースやサイドメニューを盛り付けできるサービス。
・「ビュッフェ」のことで以前は「バイキング」が普通の言い方。
・「バイキング」は帝国ホテルが名付け親で、いわば日本語。
・最近は「ビュッフェ」のほか、「ブッフェ」「バッフェ」の形も見かける。
・「ビュッフェ」はフランス語、「ブッフェ」「バッフェ」は英語に基づく発音。
・「ブュッフェ」は「ビュッフェ」と「ブッフェ」の合体だと思いますが、「ブュ」はどう発音すればいいのか。「ブュ」はローマ字でも書きにくく、難易度は最高。
③「する落ち」 何をするのかと思ったら(4月16日)
ドラッグストアの商品棚に<メイク じゅわっと浮かせてする落ち!>のパッケージがあったそうです。
・この商品はメイクを落とすクレンジングシート。
・メイクが「するっと落ちる」から「する落ち」。
・「擬音プラス動詞」 電話をガチャッと切るのは「ガチャ切り」、子どもがギャンギャン泣くのは「ギャン泣き」。
・昔からあったことばには、「がた落ち」「どか食い」「べた塗り」「びしょぬれ」など。
・最近は「ガン見」「ゴン攻め」「チラ見せ」「ブチ切れ」など。
・新語を作るハードルが下がってきたのでは。
④「大豆ミート」 「大豆肉」でないのはなぜ(4月23日)
カフェの店先で「全粒粉サンド 大豆ミート~柚子胡椒豆乳ソース~」の商品を見かけたそうです。
・大豆から肉ができるとは、SFのような時代になったと思いました。
・ハンバーガーに挟んだ大豆ミートを食べてみると、本当に肉のような食感で普通に食べられる。
・ここまで肉に近いなら「大豆肉」でよさそうなのに、なぜ「ミート」?
・表示の条件さえ守れば「肉」「ミート」を使用してもいいそうです。
・実際に「大豆のお肉」と言う商品名もある。
・少し違うものが出来た時、カタカナ語で新しさを表現することがあります。和室の「「居間」に対して、洋室のそれを「リビング」と呼ぶなど。
⑤「極深」 意外に使われない程度表現(4月30日)
コンビニのコーヒーコーナーで<香る極深>のポスターを見たそうです。「ごくふか」と読むそうです。
・「極」と言う程度表現はコーヒーにふさわしい感じがします。
・「極上」「極味(ごくみ)」 「極」には重厚な雰囲気があります。
・日常会話では「超」「激」などと言うけれど「超深い」「激深い」では俗っぽい。
・「極」はもっと使われてよさそうなのに、見過ごされている程度表現。
・筆や麺類は「極細」「極太」、最近よく聞くのは「極薄」「極うま」、昔からあるのは「極寒」「極秘」。新語があまり増えない。
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