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No弐-402 首位打者から保育士

 1980年代にプロ野球・ロッテで活躍し、パリ-グ首位打者にも輝いた高沢秀昭選手をご存知でしょうか?

 高沢さんは現在63歳、この春から横浜市内の保育士として歩み始めたという記事を読みました(神奈川新聞5月1日、読売新聞3月6日、4月2日)。テレビでも紹介されていたのを観ました。

 

★高沢さんの略歴

・北海道の高校、社会人野球を経て、1979年ドラフト2位で、ロッテに入団し、外野手と活躍。1988年に首位打者を獲得。ベストナイン2度。オールスターMVP1度。  

・広島でも2年間プレーし、1992年現役引退。(通算13年)

・その後、ロッテのコーチを17年、2010年から少年野球教室のコーチも務めた。

・還暦過ぎた61歳で球団を退団。専門学校に入り、保育士の国家資格を取得。

 

★保育士の道へのきっかけ

・「高校の野球部も社会人野球も、プロ入りも『入りませんか』と誘われ、『行きます』と。

 これまで言われるがままだったから、人生の残りの時間は自分が好きなことをやりたかった」

・新たな夢は、引退後の野球教室で多くの子どもたちと触れ合う中で出会った。

うまくいかない子どもでも良いプレーが出た時に褒めると、照れくさそうにしながら、また楽しそうに野球を続けた。

・「その姿が心地よかった。子どもと関わる仕事はやりがいがあり、向いているとすごく実感した」

・元々子どもが好きで、現役時代も一人娘と面識のない子供で家に招いて一緒に遊んだ。

・「子どもは好奇心の塊。キラキラした目で一生懸命体を動かす姿に感動した」

・「野球は十分やり切った。次は子どもに関わる仕事がしたい」

 

★専門学校の苦労話(2020~2022)

・必修だったピアノ演奏に苦労し、個別にピアノ教室へ通って猛練習。

・できないことができるようになる過程が面白いと、課題曲以外も練習するようになり、今ではパッヘベルの可能も弾けるようになった。童謡を15曲ほど弾けるようになった。

 

★保育の仕事

・1歳児14人いるクラスを若い先輩と一緒に担当。

・「想像の1.5倍は大変」

・「嫌なら怒る、楽しければ笑う。子どもは素直で。ストレートなところがいい。

 喜んでくれたら『よし、やった』と思う。

 ただ職場はいつも真剣勝負。命を預かる責任感があります」

 

★高沢さんの思い

・「人生で初めて自分が決めたのは保育士の道。体が動く限りは、働き続けたい」

・「野球の経験から何かを教えるのは、就学前の子どもには早いかもしれないけど、いろいろなことを経験させてあげたい」

 

 現役プロ野球選手の平均年齢は22.6歳。戦力外・現役引退選手の平均は28.1歳。5割が引退後の生活に不安を感じ、野球関係以外の仕事に進むのは14%だそうです。

 高沢さんのようなケースに憧れ、教職を目指す選手が増えるといいですね。