今日も、読売新聞朝刊に「デジタル教科書を問う 端末導入1年」からです。
今日は、「思考力」に注目してみましょう。
「PISA(2018) では、本を『紙で読む方が多い』と答えた日本の生徒の読解力の平均得点は536点、『デジタルで読む方が多い』は476点と60点差があった」(No895)のを覚えていらっしゃいますか?
②「検索結果 そのまま『答え』」「思考錯誤し考える力 伸びず」(4月19日)
・2月、都内の6年生、家庭科の時間。家族などの感謝のメッセージを刺繍でつづる授業。
以前は、教員やクラスメートと話しながらメッセージやデザインを考えていた。
児童は端末に「刺繍」「感謝、メッセージ」を打ち込み、検索を始め、見本の画像やアニメのキャラクターをそのまま下絵に描き写した。
・鎌倉市の6年生、国語の時間。「やまなし」(宮沢賢治)に出て来る「クラムボン」について考える課題を出すと、自ら考える前に端末で検索した。
★OECDの国際学力テストの成績分析(2012)
・コンピュータを使う頻度が多い学校ほど読解力の成績が低かった。
★端末活用報告書(2018 荒川区)
・「学習への興味・関心」の向上 小中学校9割以上
・「児童生徒の思考力」の向上 小学校3割、中学校2割
・「端末を効果的に活用する研究が必要」と指摘。
★紙とデジタル教科書のメリット(読売新聞アンケ―ト調査)
「デジタル教科書」
・動画や音声を視聴でき、児童生徒の興味関心が高められる(89%)
・ルビ振りや読み上げの機能があり、特別な支援が必要な子どもが学習しやすい(66%)
・紙の教科書を複数持ち運ぶのに比べ、軽い(49%)
「紙の教科書」
・通信環境や電源の有無などにかかわらず、いつでも使える(80%)
・取り扱いが簡単で学習に集中できる(47%)
・じっくり読むことができて、読解力や思考力が深まる(43%)*デジタル2%
・「試行錯誤しながら、複雑な事柄を読み解いたり、考えたりする努力に学習の意味がある。
安易な端末の利用は思考力の育成を阻(はば)みかねない」(藤本和久教授・慶応大・教育学)
同感です。
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