柔道の全国大会が廃止になったニュースはご存じですか?賛否両論あるわけですが、私は、陸上のオリンピアンの為末大さんの意見に大賛成です。
3月28日(月)朝日新聞朝刊にあった記事に注目しました。
★為末さんの提言「中学生までは全国大会はいらない」
・日本は若年層レベルの全国大会が多く、とても加熱していた。
・良い面もあるが、結果的に伸び悩むケースをたくさん見てきた。
・為末さんは中学3年で日本一になったが、同年代のチャンピオンは次々とトップレベルから脱落していった。
・早い段階で勝つことが必ずしも正しいとは限らない。
・例えば、野球のリトルリーグでは、ボールを地面に叩きつけると、ヒットの確率が高くなるが、そういう打ち方を覚えると、守備が整備された高校野球では伸び悩む。
・陸上も、形だけ大人と似たような走り方を作っても、筋肉がついたときに伸び止まりの原因になる。
・小中高の各段階で、その時期に効果的な勝利に戦略はあるが、それが大人になると邪魔になったり、体に身についてしまったりして伸びない。
・小学校の段階で勝負にこだわりすぎるのは危険。
・五輪に行くような選手は背が高く、晩生型が多い。
・将来活躍しそうな人は中学ではまだ勝てないという実情がある。
・中学チャンピオンは早熟型が多い。
・早く育てようと思うと「いいからやれ」が一番効く。
・長く、高く育てようと思うと、それが弊害になり、自分でどうしたらよいのかを考えられない選手になってしまう。
・日本一を作る方法とオリンピアンを育てる指導法は違う。
・日本の過度な勝利欲への歯止めとなっているのは指導者や先生の倫理観だけ。
・中学に相当する米国のジュニアハイスクールには全国大会がない。
・米国では練習に時間的な制約がある。週3〜4日しかやらず、3ヶ月経ったら次のスポーツをやるので、指導者も加熱しにくい。
・全国大会ではなく草の根大会を増やしていく。小さい大会をたくさんやる。
・親や保護者の負担も小さく、午前中だけで終わるのがあってもいい。
・中学までは県レベルで、高校から全国大会になればいい。
・「絶対、俺が日本一だ」と思っている子が20〜30人いた方がいい。
・為末さんは、中学で日本一になった時、周りの大人の興奮した顔を良く覚えている。勝てなくなると、周囲からは努力が足りないからだとみられ、辛かった。それで同世代の多くは潰れていった。
・トータルで見ると、若年層の全国大会は多くの子どもを幸せにしないシステム。
・日本では、勝ってスポーツが大好きになった人以外は、大嫌いになる傾向がある。
・若年層から全国大会の勝ち抜きシステムが勝てない子にとって楽しくない仕組みだから。
・子どもの時に勝ち負けではないスポーツの面白さを感じていることが大事。
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