3月20日(日)朝日新聞朝刊「教育」欄「いま子どもたちは」の「先生がいたから頑張れた」の見出しが目に留まりました。「西成高生の巣立ち」がテーマでした。
★西成高校
・不登校を経験した生徒が学び直せる学校として、大阪府教育庁に指定されている「エンパワメントスクール」。
・20年ほど前は、学校は荒れており、1年に100人弱が中退していた。
・当時、生徒の家庭環境を調べると、4分の1の生徒の自宅に学習用の机がなかった。
・貧困、家族の病気、いじめー学びの機会が奪われてきた生徒たち。
・家庭訪問を行い、多い年では年間600件実施。
・社会的養護が必要な生徒の支援をつなぐために、行政との連携にも力を入れる。
・今年の調査で、学校の対する生徒の満足度は94%。
・就職内定率は11年連続100%。
卒業式の沖本さんの話が印象に残ったので紹介します。
・中学では不登校だった。自室にこもり、対戦型ゲームに明け暮れた。ゲームに費やしたのは4000時間。
・通知表には「1」が並んだ。
・小学2年で父親が病死し、母と2人暮らし。きょうだいはいない。
・幼い頃から母はいつも缶酎ハイに手を伸ばしていた。母が残した缶を見つけては捨てた。
・母はアルコール依存の治療や患者会に通い直す努力をしていた。
・高校に入学して1か月経った土曜授業参観から帰宅すると、母は、顔から崩れたように、ベッドの脇に倒れていた。
・食事ができず「入院しようか」と話していた矢先だった。救急車を呼びに必死に心臓マッサージした。その日は16歳の誕生日だった。
・翌日から、担任の先生が自宅に来て、葬式にも参列してくれた。
・学校では一人じゃなかった。朝、教室に入ると、先生が黒板の前の椅子に必ず座っていた。
・毎朝最初に「おはよう」を言う大人は先生になった。
・先生の付き添いでケースワーカーと話した。
・里親の元で数人の子どもが暮らす「ファミリーホーム」に住むことが決まった。
・授業は中学の「学び直し」から始まった。「モジュール授業」は、1コマ30分。数学は分数、英語はbe動詞から学ぶ。
・友達と話すと、不登校だったのは自分だけではないと気付いた。「みんなでがんばりたい」と思うようになった。友達に勉強を教える姿を先生は見守った。
・別の先生に誘われ、生徒会に入った。
・生徒会の活動や勉強が面白くなるにつれ、自然と将来の夢が浮かんでいた。
「誰もが前向きに働ける会社をつくりたい」
・大学で経営学を学ぼうと、3年の秋から1日10時間勉強した。
・2月、一般入試で大阪経済大学経営学部に合格した。
「学校では努力すること、人に頼ることの大切さを学んだ。しんどいこともあったけど、全てが自分の将来につながると思う」
「先生に助けていただいて、卒業できました」
担任だった先生と握手する写真に感動しました。教師冥利に尽きますね。
・「学校では、何事もなかったようにしてほしい」と頼んだ。
・朝「行ってきます」を言う人がいない。帰宅する家は、すっからかんで暗い。
・ふとした瞬間に孤独が押し寄せてきた。「誰もおらん…」
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