今日の朝日新聞朝刊「生活」欄の「きみが生まれた日」に「ルドルフとイッパイアッテナ」の誕生秘話を紹介した作者の斎藤洋さんの記事がありました。
実は、私はこの作品が大好きで、脚本を書き、学芸会で2回公演しました。
★ルドルフが生まれたのは、偶然と運
・1986年2月10日。大学のドイツ語の非常勤講師をしていた斎藤さんは、いつものように電車に乗ろうとした時、文庫本を忘れたことに気付き、改札口の売店で夕刊を買いました。
・そこに載っていたのが、講談社の児童文学新人賞の募集広告。
・数日後、児童詩を書く友人に教えてあげたが興味を示しませんでした。
・それで、賞金30万円にひかれて、自分が応募しようと思ったそうです。
・30代半ばで非正規雇用で将来に不安もあり、原稿用紙60枚からなら書けると思ったそうです。
・ところが書くことがなく、浮かんだのは、研究していたドイツの作家のホフマン。
・ホフマンの小説に、字を書くねこが主人公の「牡猫ムルの人生観」と言う話がある。
・ねこが書いた自伝にしようと思い、書くなら少年の成長期(ドイツ文学定番の「教養小説」)。
・これに日本で人気の「忠臣蔵」の要素を加えたらおもしろいんじゃないか。
・ねこが字を書いて、大きくなったら仕返しをする流れが決まります。
・締め切りは5月。3カ月で書きましたが、ほとんど覚えていないそうです。
・見事に新人賞を射止めます。
★モデルのねこ
・大学生の時、近所にいた大きな黒ねこ。
・飼っている金魚を狙うなど、いたずらばかり。
・犬を追いかけるのを見たこともある。
・少し驚かせてやろうと、捕まえようとしたが、うまくいかない。
・餌付け作戦をするうちに仲良くなる。手から煮干しを食べ、部屋にもあがるようになる。
・しかし、1年ぐらいで、ふらっといなくなってしまった。
★ルドルフ誕生秘話
・そんな話をしたからか、ある時、奥さんが黒猫のぬいぐるみを買ってきたそうです。
・当時、コーヒーのCMで「ベルギーのロドルフ殿下も飲んでいる」とよく流れていて、それが「ルドルフ殿下」に聞こえ、「ルドルフ」と名付けたそうです。
・ルドルフの名前はこのぬいぐるみからでした。
斎藤さんは今年で70歳。書く時は、常に「この作品で新人賞が取れるか」を考えるんだそうです。
「これまで書いてないテーマ挑戦したい」なんて見習いたいです。
またこの人の作品の脚本を書いてみたくなりました。
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