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No弐-333 ウエスト・サイド・ストーリー

 今日は、楽しみにしていた「ウエスト・サイド・ストーリー」を近所の映画館の大スクリーンで観てきました。

 実は、10月18日(月)の新聞の広告に目が留まったのです。

 「今からちょうど60年前の1961年10月18日に、映画「ウエスト・サイド物語」が全米で公開されました。そしてこの冬―スピルバーグ監督が〝伝説のミュージカル〞を映画化!」 

 広告には、12月10日(金)に劇場公開の予定でしたが、2月11日になりました。

 そんなわけで、昨日は書棚から61年版のDVDを引っ張り出してきて、復習してから今日に臨みました。

 読売新聞朝刊「週刊エンタメ」(1月29日)、朝日新聞朝刊「文化」(2月11日)にも取り上げられていたので、一部を紹介しようと思います。

 

・1957年に米国ブロードウエーで初演され、61年に映画にもなったミュージカルの金字塔。アカデミー賞10冠。

・シェークスピアの「ロミオとジュリエット」に着想を得て、対立するニューヨークの移民グループが引き起こす悲劇を描くミュージカル。

 

・マンハッタンのアッパー・ウエスト・サイド地区は、70年ほど前、スラム街だった。

・貧困の中で暮らしていたのは、主に欧州にルーツを持つ古くからの移民の子孫や、第2次世界大戦後にプエルトリコから移ってきた新住民たち。

・ポーランド系不良グループ「ジェッツ」とプエルトリコ系「シャークス」が縄張りを主張した、本作の舞台だ。

・1950年代前半にこの地域で始動した再開発が物語全体に影を落としている。

・リンカーン・センター建設を目玉に周辺を一新する計画で、移民は立ち退きを迫られた。

・映画描く50年代後半、一帯は鉄球で破壊されたアパート群が無残な姿をさらしていた。

 

・幕開けは、廃墟のような街を俯瞰する印象的なショット。やがて、口笛が響き、がれきの山の上にジェッツが現れる。舞台場にも先の映画版にもない新たな演出だ。

・映画のセットもニューヨークの街並みを写実的に描いている。

・キャスティングも「真実」を追求した。今回は役者全員がヒスパニックで、肌の色も多様だ。「20人余りのシャークス全員にプエルトリコ系の俳優で起用できなければ、この映画を作ることはなかっただろう」「肌の色を塗ることなしにラテン系のコミュニティーを表現できのを誇りに思う」(スピルバーグ)

 

 スピルバーグ監督は、「61年の映画は今も我々の心に響く。その偉大な物語を、時代に合った、より現実的な映画として語り継ぎたかった」と語っていますが、この思いが伝わってきます。

 ストーリーの大筋は変わっていないのです。61年の作品に足りなかったところを見事に補っていました。

 

 主演のマリア役のレイチェル・ゼグラーはこの映画でデビュー。準備中に18歳、撮影に入った時は高校を卒業したばかりだったそうです。

 アニータ役のアリアナ・デポーズの演技も印象に残りました。

 前作ではアニータ役を演じたリタ・モレノの演技と「サムウェア」の独唱もよかったです。

 

 ダンスも歌も60年前の作品も今回の作品もどちらも格好いい、素晴らしいと思わせるのが、「伝説のミュージカル」たる所以でしょう。

 帰りにパンフレットを買いましたが、¥2730と高いのに驚きましたが、126ページの厚さで、この作品に賭けるスタッフの思いが伝わりました。